うば としこ(税理士)
経理の仕事をするには、業務の知識はやっぱり必要。
でも、知識はあってもそれだけで成果が上がるわけではありません。
仕事を円滑に進め、成果をあげるためには、業務知識のみならず、ぜひ知っておきたい仕事のコツがあるのです! 本連載では、今週5回にわたり、うばとしこ先生(税理士・人気YouTuber)に経理パーソンがすぐに実践できる仕事術について解説していただきます。
簿記論1科目合格して、12月から経理として働こうと思うんです。
あら、楽しみね~。
簿記はずっと勉強しているけれど、経理は未経験。私が役立つのかなって不安でいっぱいです・・・。
まずは「守破離」でいいのよ!
イラスト担当:ハシケン(コンテアニメ工房/株式会社Create Archives)
うば先生のアドバイス
まずは“徹底的に前任者の仕事を真似る”こと!
経理担当者には「実務を覚える」という最初の登竜門があります。
一度覚えれば、なんとなく進めていくことができるようになるかもしれません。
けれども要領よく覚えて多くの仕事をこなしていくよりも大切なことがあります。
業務の無駄を省くことにより効率化を図るといったことに手を出すのは少し待ってください。
まずは「徹底的に前任者の仕事を真似ること」です。
初めからオリジナリティを出すことを考えず、まずは完全コピーすることからスタートです。
「守破離」という言葉を聞いたことがありますか?
これはもともと歴史上の人物、千利休の教えだと言われています。
「守」「破」「離」の一文字ずつに段階的なの意味があるといいます。
まずは師匠から教わった方法を徹底的に「守る」からところからはじめよ。
つまり、前任者の真似をすることだと解釈できます。
真似をし、何度も繰り返して練習するのです。
一見、意味がないように見える過程も、前任者のなんらかの失敗や教訓から生み出された作業なのです。
すぐに無駄な作業だと省いたりせず、とにかく完全コピーしなから、ひとつひとつの過程が必要な理由、疑問点を洗い出していきましょう。
そうして前任者の仕事を理解することができ、自分に合ったより良い方法を試すことができるようになったとき、始めて前任者の方法を「破る」ことができるようになります。
さらに練習を繰り返して物事に精通する立場になった人は既存の型に囚われることなく「離れて」自己を確立することができ、オリジナルの型を生み出すことができるのです。
お茶でいう新しい流派が生まれる時、ですね。
経理もそのように過去からの流れに目を向けていくことが大切です。
<著者紹介>
伯母 敏子(うば としこ)
税理士。大学卒業後、大手リース会社の営業職、税理士事務所への転職、結婚、出産を経て、2016年4月に税理士登録、2017年11月に独立開業。主に法人税務顧問のほか個人事業主を対象とした経理サポートのオンラインサロン「ゆるふわ経理部」を主宰。YouTube「ゆるふわチャンネル」を機に全国各地でセミナー講師を担当。各種媒体への執筆も積極的に行う。
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