加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
決算整理に際して、当期に発行した外貨建転換社債型新株予約権付社債(発行時の為替相場1ドル=100円)について会計処理が一括法の場合、社債の帳簿価額が90,000ドルで決算時の為替相場が1ドル=105円の場合、社債の円換算額は9,000,000円となる。
解答
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一括法による場合、決算時の為替相場で換算するので、社債の円換算額は9,450,000円となる。
根 拠
企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」
外貨建転換社債型新株予約権付社債の場合 (発行者側の会計処理) 25. 外貨建転換社債型新株予約権付社債について、発行時に一括法を採用している場合の発行者側における円換算の処理は次のように行う。[設例4] (1) 発行時の会計処理 発行時の円貨への換算は、発行時の為替相場による。 (2) 決算時の会計処理決算時の円貨への換算は、決算時の為替相場による。また、決算時の換算によって生じた換算差額は、当期の為替差損益として処理する(「外貨建取引等会計処理基準」(以下「外貨基準」という。)一 2(2))。 |
ワンポイントアドバイス
区分法による場合、社債は決算時の為替相場、新株予約権は発行時の為替相場により、それぞれ換算されます。
一方で一括法は、すべて社債とみなして会計処理する考え方であり、決算時の為替相場によります。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。