加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
商品100個(販売価格@500円、利益率20%)を引き渡し、代金は現金で受け取った。なお、無条件で返品することができ、10個の返品が見込まれている。
(借) 現金 50,000
(貸) 売上 50,000
(借) 返品調整引当金繰入額 1,000
(貸) 返品調整引当金 1,000
【正解】 ×
返品調整引当金は廃止され、返品が見込まれる金額について、収益を認識せず返金負債を計上するとともに、原価相当額は返品資産を計上する。
(借) 現金 50,000
(貸) 売上 45,000
返金負債 5,000
(借) 売上原価 36,000
返品資産 4,000
(貸) 商品 40,000
【根拠となる適用指針】
企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」
85. 返品権付きの商品又は製品(及び返金条件付きで提供される一部のサービス)を販売した場合は、次の(1)から(3)のすべてについて処理する。
(1) 企業が権利を得ると見込む対価の額((2)の返品されると見込まれる商品又は製品の対価を除く。)で収益を認識する。
(2) 返品されると見込まれる商品又は製品については、収益を認識せず、当該商品又は製品について受け取った又は受け取る対価の額で返金負債を認識する。
(3) 返金負債の決済時に顧客から商品又は製品を回収する権利について資産を認識する。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。