税理士試験 合格を手に入れる過去問活用術


井上 幹康

過去問演習の目的

各種の試験において過去問演習が非常に重要なことは言うまでもありませんが、試験によってその目的は異なります。最初に思いつくのは「同じ問題が出たときに備えるため」ということだと思いますが、これは税理士試験には当てはまりません。というのも、マークシート方式の試験では過去問とまったく同じ選択肢が出ることもありますが 税理士試験はそうではないからです。試験委員が変わると出題形式もガラッと変わります。だからといって「過去問は不要か」というと、それは違います。私が考える税理士試験における過去問演習の目的は、以下に挙げる5つです。

① 敗因分析
② ゴールの把握
③ 時間配分の研究
④ 解答順序の研究
⑤ 出題傾向・形式の分析

目的に応じた過去問の分類

①〜⑤の目的を達成するためには、どのような過去問が有効でしょうか? 以下、目的別に過去問を分類してみました。

最重要なのは不合格時の過去問

最重要なのは自分自身が実際に受験して不合格だったときの過去問です。来年が初受験の方は不合格時の過去問はないので、リベンジ組に限った話にはなりますが。12月の合格発表で惜しくも不合格となった受験生は、今回の答案を徹底的に分析しましょう。

自分が不合格だった過去問はもう二度と見たくないもので、どうしても目を背けがちです。しかし、本試験という緊張感のなか、試験会場で受けた唯一無二のもの合格へのカギは不合格答案に必ず埋まっています。今は、不合格でも総得点が開示されるようになっています。まずは模範解答などをもとに自己採点を行い、総得点と比較できるように準備しておきましょう。

次に重要な直近2、3年の過去問

これは試験委員対策といってもいいかもしれません。直近2、3年の過去問を解くことで、試験委員がどのような形式の出題をしているか探ることができます。まったく同じ問題が出ることはありませんが、形式が同じ出題は十分ありえます。

古い過去問演習も怠らない

直近2、3年より古い過去問は、主に時間配分と解答順序の研究に活用できます。時間配分の研究は、試験時間を各問題にどう配分すれば得点を最大化できるか研究することです。解答順序の研究は、財表を例にとれば、「理論→計算」か「計算→理論」どちらの順で解くと得点を最大化できるか研究することです。

同じ問題でも時間配分と解答順序が違うだけで得点が大きく変わります。また、ある過去問で時間配分も解答順序もうまくいっても、別の過去問で同じようにうまくいくとは限りません。そのため、問題に応じて得点を最大化できる時間配分と解答順序を試験開始直後の数分で導けるようにならないといけません。しかし、すぐにそんなことはできません。地道に一つひとつの過去問を分析し、そのつど時間配分・解答順序を試して、どうすれば得点が最大化できるかという感覚を養っていくことが重要です。

簿財における過去問活用術


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