会計人なら知っておきたい! 会計“外”のコト⑨~実地棚卸


実地棚卸(じっちたなおろし)とは、倉庫などに在庫がいくつあるか数え、帳簿の数と合っているか確認することです。単に棚卸ということもあります。

在庫のある会社では、期末日に必ず実地棚卸を行いますが、在庫が重視な会社では年に数回行うこともあります。

実地棚卸は、在庫担当者や在庫責任者が行います。ただ、会計数値にも影響があることから、経理担当者が様子を見に行くことがあり、これを棚卸立会(たなおろしたちあい)といいます。実地棚卸がきちんと行われているか立ち会うということですね。監査を受けている会社では、公認会計士が棚卸立会をすることもあります。

実地棚卸は主にタグ方式、リスト方式、バーコード方式で行います。タグのことを棚札ということもあります。不正対策やミス防止のため2人1組で行うこともポイントです。

さて、実地棚卸はただ在庫を数えればよいというわけではなく、次の2点を意識します。

① 実地棚卸数量と帳簿棚卸数量が一致しているか確認する

実地棚卸数量は実際に実地棚卸で数えた在庫の数、帳簿棚卸数量は帳簿上あるべき在庫の数です。実地棚卸数量と帳簿棚卸数量が一致していなければ原因を調査します。帳簿の書き忘れや盗難の可能性もあり、重大なミスの発見にもつながるので、しっかり調査することが大切です。実地棚卸数量が帳簿棚卸数量より少ない場合には、会計上、棚卸減耗損を計上します。

② 在庫に破損や価値低下などがないか確認する

在庫に破損などがあり通常の値段より安くしなければ売れない場合、会計上、商品評価損を計上します。また、商品の価値が低下している場合、低価法の検討も必要です。実地棚卸のときにしっかりチェックする必要があります。

本稿は、『会計人コース2020年5月号に掲載したコラムです。

よせだあつこ(willsi株式会社取締役/公認会計士)
監査法人トーマツを経てwillsi株式会社を設立。簿記学習アプリ「パブロフ簿記」はシリーズ累計30万ダウンロードの大ヒット。著書に「パブロフくんと学ぶITパスポート」「パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級」などがある。監査法人や自身の会社での実務経験から,わかりやすい解説・合格できる解法を受験生へ伝えている。


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