【マイ・オフ・タイム】時を超える旅~お城めぐり


山本美登

こんにちは。公認会計士の山本です。

私はちょっと時間が空いたときにふらっと戦国時代の城跡に行くのが好きです。復元された天守閣が聳え立つお城もいいのですが、戦国時代の築城技術が垣間見える城跡に好んで行っています。

城跡の面白さ

私の住んでいる横浜にも小机城や茅ケ崎城といった城跡が今も当時の面影を残した良好な形で保存されています。ちょっと足を伸ばせば、八王子城、津久井城、山中城、石垣山城、河村城などスケールの大きな城跡が点在しています。

戦国時代のお城は急峻な丘陵や山を利用している場合が多く、本丸までは急傾斜の坂や階段を登っていかなければならないのですが、そういう時は城の攻め手の気分になって、どこに城兵が潜んでいるのか、守備兵からの攻撃を防ぎつつどう攻め上がればよいのかなどと思いを巡らせながら歩きます。

本丸まで登ると辺りを一望できる絶景ポイントが大抵あるので、連携する城の位置などを遠望します。そして今度は城兵になった気分でどうやって鉄砲や弓などの飛び道具を避けながら攻め手を迎え撃つのか、あるいは味方の城兵同士でどのように連携するのかなどをあれこれと考えながら歩いています。

傍から見るとちょっとあやしい人に見えるかもしれませんね。

オススメのお城

どの城跡もよいのですが、お勧めは神奈川県足柄上郡山北町にある河村城です。このお城は甲斐、駿河、相模の三国の国境に位置する、標高225m程の城山に築かれていたお城です。戦国時代には小田原北条氏と武田氏との間で争奪戦が繰り広げられていたそうです。

城跡に登ると丹沢の山々が間近に見え、振り返ると相模平野が眼下に広がり、その先には相模湾まで見渡すことができます。城内は城の区画である曲輪と曲輪とを空堀で仕切ってあり、空堀の底は障子堀といって堀の中に障壁を設けてあるなど小田原北条氏の築城技術がふんだんに使われています。

河村城から見渡す相模湾

河村城は空堀の下まで歩道が整備されており、降りることができるのですが、そこから急傾斜の上にある曲輪を見上げると、城兵の攻撃をかわしながら登り切るのは並大抵なことではないということが実感できます。

“兵どもの夢”

戦国の時代、目の前に迫って来る勇猛な武田軍の猛攻を懸命に防ぎながら、遠くに見える小田原からの援軍を今か今かと待ち侘びている、そんな城兵の気持ちを想像したりしながら城跡を歩くと、当時にタイムスリップしたような気分になります。

生きるか死ぬかの瀬戸際で知力、体力その他あらゆる能力を駆使して時代を生き抜こうとしていた戦国武将たちに思いを馳せると、普段の自分の悩み事などがちっぽけなことに思えてきて気持ちが楽になるから不思議です。

皆さんも受験勉強が煮詰まった時、ちょっと城跡を散策されてみてはいかがでしょうか。

〈執筆者紹介〉
山本 美登(やまもと・よしと)
公認会計士・税理士
慶應義塾大学経済学部卒業。大手監査法人勤務を経て独立開業。中堅監査法人で非常勤業務を行いながら個人の顧客を増やす。現在は、法人を対象とした税理士業務を中心に行いつつ、学校法人監査(幼稚園)や事業承継支援等も行う。

※ 本稿は、『会計人コース』2020年4月号に掲載した記事を編集部で再編成したものです。


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