【マイ・オフ・タイム】めがねに捧げる愛


谷口孔陛

めがね税理士として

みなさんこんにちは。わたくし、めがね税理士の谷口と申します。

会計人コースを愛読されているみなさんの中で、もしかしたら3名ぐらいは私のことをご存じの方がいらっしゃるかもしれません。私は31歳のときに独立してから3年もの間、この「めがね税理士」という珍妙な肩書きを名乗り、ブログやTwitterなどで愚にもつかぬことを書いては鼻などほじりつつ日々を暮らしています。

この時点で「何がめがね税理士だ。へたをすれば税理士の過半数はめがねをかけているのではないか? なんの権限があって貴様ごときがめがね税理士を名乗るのだ」とお怒りになり、私のめがねをバリンバリンに叩き割りたい衝動に駆られている読者もいらっしゃるかもしれません。そのお怒り、実にごもっともです。そのような憤激の読者は、私がブログでつくった愚にもつかない画像をご覧になり、どうか心を落ち着けてください。あとめがね拭くといいですよ。心もめがねも清らかになります。

めがねは数より愛の大きさ

さて、「めがね税理士」などという肩書きを名乗っておりますと、「さぞかしめがねがお好きなんでしょうなあ。私などめがね好きとしてまだまだで、20個程度しか持っておりません。先生は何個ぐらいお持ちで?」と、めがね好きからのめがねマウンティング(業界では「めがマン」といいます)を仕掛けられることがあります。こう聞かれるたび、私はパカリと手元のスーツケースを開き、「いえ、なに、ほんの2万個程度ですよ」と答えるやケースにぎっしり詰まっためがねがまばゆい輝きを放ち、悪しきめがねマウンティングマン(業界では「めがマンマン」)が浄化される……というエピソードを妄想することが多いですが、実際には2万個どころか2個しか持ってません。トゥー。めがねのレンズの数と一緒ですね。しかも、そのうちひとつは万一のときのスペアめがね(昔使ってたやつ)であるため、実質的には1つのめがねしか使っていないわけです。

こう書くと、「なんだ1つしか使ってないんですか」とガッカリされることがあるのですが、一度冷静に考えてみてください。現代の日本において、結婚を許されているのは1人だけではありませんか? 私には愛する妻がいるのですが、妻をただひたすらに何十年と愛するように、めがねにもまた一途な愛をそそぐ。それこそが私のめがね道なのです。めがねをかけるというのは、いわばめがねとの婚姻。「昨日はこのめがねだったから、今日はこっちで♪」などというのは、私には耐えがたい尻軽浮気野郎のごとき振る舞いなのであります。

まあ、1つしか持ってない嫉妬によるめがマン(めがねマウンティング)ですけど。

仕事には「人間らしさ」が大事

書いたあと、自分でも中身のなさに驚いておりますが、こんな呑気なことを書いていても独立して食べていける税理士という資格はとても素晴らしいものです。むしろ、いまの時代はこのような「人間らしさ」を発信することが仕事につながり得る、とさえ言えます。資格を取ることで、みなさんの未来の選択肢が増えるのは間違いないでしょう。お一人でも多くの方が、みなさんの望む未来に進めることをめがね越しに応援しております。

〈執筆者紹介〉
谷口孔陛(たにぐち・こうへい)
税理士
2ヵ所の税理士事務所に計6年弱勤務した後、31歳・売上ゼロで独立。「難しい税務・会計のことを図解でわかりやすく」というテーマでブログをはじめたものの、いつの間にかめがねがバリンバリンに割れるGIF動画をアップするような謎のブログと成り果てる。「税理士の品位を損ねている」と専らの評判。
まじめなブログ:https://kh-tax.com/
まじめじゃないブログ:https://mgn.co.jp/

※ 本稿は、『会計人コース』2019年11月号に掲載した記事を編集部で再編成したものです。


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