試験にも実務でも役立つ簿記の計算問題-その2


前回、『会計人コース』3月号の別冊付録「間違いだらけの計算問題」が、試験勉強にはもちろん、その後、職業会計人となったときにも活きる教材だとご紹介しました。

今回はその続き、第2問目をご紹介します。本付録は電卓いらずなので、スキマ時間にでもチャレンジしてみてください☆

税効果会計(難易度★★☆☆☆)

【問い】に対する【解説】について,誤りを含む部分を指摘しなさい。

【問い】
次の〔資料〕に基づき,当期末(X2年3月31日)の貸借対照表の固定資産・投資その他の資産に表示される繰延税金資産はいくらか,求めなさい。

〔資料〕
1.会計上と税務上の差異の状況は,次のとおりである。
(1) 会計上,減価償却費100,000円を計上したが,税務上の減価償却限度額は80,000円であり,減価償却超過額20,000円が損金不算入となった。
(2) 会計上,交際接待費50,000円を計上したが,税務上は全額,損金不算入となった。
(3) その他有価証券として保有する株式(取得価額200,000円)の当期末の時価は,210,000円である。
2.法定実効税率は30%であり,繰延税金資産の回収可能性は問題ない。
3.繰延税金資産および繰延税金負債の貸借対照表表示は,会計基準に定める原則的な方法による。

【解説】
1.決算整理仕訳
(1) 繰延税金資産
(借)繰延税金資産 21,000
   (貸)法人税等調整額 21,000
(注){20,000円(減価償却費)+50,000円(交際接待費)}×30%=21,000円
(2) 繰延税金負債
(借)投資有価証券 10,000
  (貸) 繰延税金負債 3,000
     その他有価証券評価差額金 7,000
(注)繰延税金負債:10,000円(評価差益)×30%=3,000円
2.B/S固定資産・投資その他の資産の繰延税金資産(解答の金額)
21,000円(繰延税金資産)-3,000円(繰延税金負債)=18,000円


【解答】
交際接待費の損金不算入額は永久差異に該当するので,繰延税金資産を計上してはならない。

【誤りを含む解説】
1.決算整理仕訳
(1) 繰延税金資産
(借)繰延税金資産 21,000
   (貸)法人税等調整額 21,000
(注){20,000円(減価償却費)+50,000円(交際接待費)}×30%=21,000円
(省略)
2.B/S固定資産・投資その他の資産に表示される繰延税金資産
21,000円(繰延税金資産)-3,000円(繰延税金負債)=18,000円

【正しい解説】
1.決算整理仕訳
(1) 繰延税金資産
(借)繰延税金資産 6,000
  (貸)法人税等調整額 6,000
(注)20,000円(減価償却費)×30%=6,000円

(省略)
2.B/S固定資産・投資その他の資産に表示される繰延税金資産
6,000円(繰延税金資産)-3,000
円(繰延税金負債)=3,000円

<解答のチェックポイント>
永久差異となる項目として,交際接待費,寄附金および罰科金の損金不算入や受取配当金の益金不算入などがあるので,これらの項目については頭に入れておくこと。

『会計人コース』3月号別冊付録:
『読んで考えて総復習 間違いだらけの計算問題』の著者
加藤大吾(早稲田大学大学院会計研究科専任講師・公認会計士)


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