1日3分でボーダー突破♪ 税理士試験 計算×理論30題―【28日目】純資産会計


解 答

正しいもの  1,4

解 説

1 ○ 純資産の概念 

文章は「財務会計の概念フレームワーク」で示されている純資産の考え方です。これによれば純資産は,資産と負債の差額と理解することができます。
(「財務会計の概念フレームワーク 財務諸表の構成要素」第18項」)

2 × 自己株式処分差損

自己株式処分差損がその他資本剰余金を超えた場合には,その都度その他利益剰余金で補てんをすることは妥当ではなく,その超過額は会計期末においてその他利益剰余金(繰越利益剰余金)で補てんすべきです。
(「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第42項)

3 × 評価・換算差額等の項目

評価・換算差額等に含まれる諸項目は,資本修正による剰余金ではなく,むしろ国際的な会計基準の見地からは「その他包括利益累積額」として位置付ける方が妥当でしょう。
(「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」第33項)

4 ○ 評価・換算差額等の表示金額

税効果会計が適用されるような場合には,繰延税金資産や繰延税金負債を控除した金額を記載することになります。
(「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」第8項)


(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。

連載記事一覧
【1日目】現金勘定
【2日目】当座預金勘定
【3日目】企業会計原則
【4日目】商品売買(分記法)
【5日目】商品売買(売価還元法)①
【6日目】商品売買(売価還元法)②
【7日目】資産会計
【8日目】有価証券(満期保有目的債券)
【9日目】有価証券(その他有価証券)
【10日目】基本概念
【11日目】減価償却(定率法、償却保証率)
【12日目】減価償却(資本的支出)
【13日目】リース資産取引
【14日目】資産除去債務
【15日目】資産会計一般
【16日目】貸倒引当金(C/F見積法)
【17日目】貸倒引当金(貸倒懸念債権)
【18日目】貸倒引当金(破産更生債権等)
【19日目】固定資産会計
【20日目】外国為替
【21日目】為替予約(独立処理)
【22日目】社債(買入償還)
【23日目】社債(決算整理)
【24日目】棚卸資産の評価
【25日目】ストック・オプション
【26日目】退職給付引当金
【27日目】返品調整,製品保証引当金
【28日目】純資産会計
【29日目】金利先物取引
【30日目】割賦販売(支払期限到来基準)

※ 本連載は,会計人コース2015年2月号付録「簿・財  計算×理論 実力アップドリル[30日完成]」を編集部で再構成したものです。バックナンバーはこちらからお求めいただけます。


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