もち
(40代、税理士法人勤務)
<受験情報>
・合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法(2016年度)、所得税法(2020年度)、相続税法(2023年度)
・学習スタイル:独学
▶︎トップ画像は理論学習の際に使っていた大好きなスターダストレビューのアーティストグッズ(本人提供)
【編集部より】
もちさんによる2020年度の合格体験記「【税理士試験 合格体験記】フリーターからの挑戦! 「学歴・お金・通学」ナシで4科目独学合格!」はコチラ
税理士を目指したきっかけ
当初のきっかけは、老後資金を稼ぐため、収入を上げたかったので、何か資格を取りたかったということです。
数ある資格の中で税理士を選んだのは、科目合格を積み重ねられること、それと税金の知識を持てば、節税できるのではないか、と考えたからです。
独学を選んだ理由
専門学校に通うお金がなかったことです。
合格後に、四十代から税理士試験を始めて49歳で税理士試験に合格した同僚のHさんから、
「専門学校に通えば、1年で合格レベルまでの実力がつく」と聞いたので、「もしかしたら途中で専門学校に通っていれば13年もかからずに合格していたのかもしれない」と後悔めいたことは感じたことはありました。
ただ、独学は、わからないことを誰かに教えてもらうことができないため、自ら知識や情報を探すクセがつきました。
その過程で「この知識や情報を得たいのならば、ここに当たればよい」というノウハウが身につき、それが今の仕事で役に立っているので、 後悔はしていません。
学習方法
4科目合格をしておりましたが、「40代が10年以上かけて官報合格しても、周りの人にそんなに喜ばれないだろう」と考え、6科目合格を目指し、相続税法と住民税の2科目に受験していました。
私の学習方法としては、税理士試験は公式な模範解答が公表されておらず、出題者がどのような解答を求めているのかがブラックボックス化しているため、合格するためには運の要素も多くあると感じ、運の要素を少しでも排除できるようにと、常に複数科目を学習するようにしていました。
複数科目の学習は、費やす労力や時間が2倍になりますが、1つの科目の学習の進捗がイマイチなときに、進捗がよい他の科目に「逃げる」ことができ、精神衛生上はよいと思います。
そもそも税理士試験は3科目の税法科目を合格しなければならず、いずれにしても複数の税法科目を学習することになりますし、複数の税法の学習をすると、それぞれの税法の趣旨や仕組みの違いが見えてきて、単に合格するための学習をするよりも面白く感じられました。
具体的な学習方法については、「合格のために学習しなければならない」という考えではなく「学習を習慣や癖のように、”気づいたらやっている”」というものにしていたので、正直どんなことをやっていたのかよく覚えていません。
通勤やライブ会場、旅行先に向かう公共交通機関の中では条文暗記を習慣にしていました。
学習すること自体は習慣化していましたが、一度記憶したものを忘れないようにするため、人間の長期記憶について研究した「エビングハウスの忘却曲線」を参考に、暗記した条文は、その1日後、3日後、1週間後、1ヵ月後に復習し、暗記した内容を忘れないようにしていました。
計算に関しては、すでに数年間学習していたので、個別計算問題は使わず、過去の税理士試験の計算問題、資格の大原やTACが市販している総合計算問題の応用編、それと全経の相続税法能力検定1級の過去問しか使っていませんでした。
合格の決め手となったもの
私の合格の決め手は、おそらく2021年度の税理士試験の1週間前に新型コロナに感染したことだと思います。
当時、新型コロナに感染すると10日間程度隔離されることとなっていたため、この年は税理士試験を受験することができなくなりました。
「”受験できない”ということは”税理士試験に合格できない”」ことなので、新型コロナに感染したことがわかった日に頭を切り替え、「今年は税理士試験の代わりに、他の難関試験に合格しよう」と考え、「宅地建物取引士試験に合格する」と決め、実際に合格することができました。翌年2022年には、これも「合格します」と宣言し、全経の相続税法能力検定1級に合格することもできました。
これらの「有言実行で難関試験に合格する」という体験は、これまでの自分の「税理士試験は自分の実力を高めていれば自ずと合格できるもの」という考えを、「税理士試験は取りに行くもの」に変え、税理士試験に合格することは夢ではなく、現実にできるものだと思えるようになりました。
モチベーションの保ち方やマイルール
「無理をしないこと」です。
疲れているときや気分が乗らないときに無理に勉強しても結局全く何も覚えられず、かつ、コンディションも悪くなり、単なる時間の浪費になっていると感じていたので、そういうときは思い切って勉強をせずに休んでいました。
休むと翌日のコンディションがよくなり、勉強もはかどりましたので効果があったと思います。
受験を振り返って
税理士試験は合格率が10%台のとても厳しい試験。
そんな試験に合格するのは、並大抵のことではないですが、ただ、合格したら両親や兄弟姉妹、親戚に確実に喜ばれますし、合格祝いで何度もお祝いでタダ酒をいただけます。
そんなとても楽しい世界が待っていますので、不合格で税理士試験の受験に心が折れかけている人には、 諦めないで受験し続けてほしいです。
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