H.K
(税理士法人勤務、30代)
<受験情報>
・合格科目:財務諸表論(H28年)、簿記論(H30年)、相続税法(令和4年)、大学院修了(令和4年)
・学習スタイル:資格の大原(通学)
▶︎トップ画像は朝の勉強時間に解いていた総合問題と相棒の電卓
税理士を目指したきっかけ
私は短期大学を卒業後、小学校の給食調理員として働いていました。給食調理の仕事は夏休みなど長期の休暇があり、その期間に「スキルアップのために」と始めた簿記の勉強が、税理士という仕事を知るきっかけとなりました。
そこから税理士法人に転職し、さまざまな仕事をする中で、もっとお客様の力になれるように勉強したい、税理士になりたい、と強く思うようになり、税理士を目指すことを決めました。
フルタイムで働きながら会計科目に合格
財務諸表論・簿記論は、税理士法人で正社員として働きながら受験勉強し、合格することができました。
仕事で時間の確保が難しいこともありましたが、朝の時間、通勤中などのスキマ時間を利用して、時間を見つけては勉強をしていました。それでも専門学校の宿題をすべて消化することは難しく、何度も先生のもとに相談に行って、私ができる範囲での宿題を出してもらっていました。
専門学校のカリキュラムに沿って毎回宿題を消化することはとても大事なことですが、仕事をしながら全てを完ぺきにこなすことは難しいと思います。専門学校を利用するメリットは、いつでも質問・相談ができることです。また、長い試験期間のモチベーションを保つこともなかなか難しいので、私はメンタル面でもとても支えられました。先生方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
大学院進学を決めた理由
会計科目に合格した後、税法科目になかなか合格ができない中で、大学院進学を決意しました。税法科目の免除が受けられることは当然魅力的でしたが、今後もこの仕事を続けていくと考えた時に、条文や判例を読み、論理的に考える力を身につけたいと思うようになったことも、進学を決めた理由の1つです。
大学院では、試験勉強とは違う学びがあり、仲間もたくさんできたので、進学をして本当に良かったと思います。家族の理解のおかげで、週3日税理士法人でアルバイトをしながら試験勉強、大学院通学と濃い2年間を過ごすことができました。大学院での学びが試験勉強にも活かされたと思っています。
ちなみに、大学院への進学についてもう少しお話すると、「短大卒の私には受験資格がない」とずっと思っていました。しかし、大学院によっては税理士試験の会計科目に合格していることで受験資格を得られることがわかり、無事に受験、入学でき、そして、令和4年度に修了することができました。
同じような状況で大学院進学が気になっている方がいれば、ぜひ一度調べてみていただけたらと思います。
相続税法にリベンジ合格した時の勉強法
最後の科目として選択した相続税法は、2年目で合格しました。この時私は、平日の仕事終わりに絶対に通学すると決めていました。そのほかにも次のことを大事にしていました。
基本的に使用するのは専門学校の教材だけ
2年目に受講する際、新規の応用問題に対応するため外販教材を購入した以外は、他に教材を購入することはありませんでした。苦手な論点は手元にある問題集を繰り返し解くようにしていました。
理論は必ず条文を確認する
大原の理論サブノートは、条文を少しわかりやすい言い回しに変えているので、元の条文はどのように書かれているのかを必ず確認していました。ただ書かれていることを暗記するのではなく内容の理解を深めることで、実際に事例問題に当たった際に以前よりも対応できるようになりました。
本法については『租税法 判例六法』(有斐閣)(軽くて持ち運びやすいのでお勧めです)、措置法については「e-Gov 法令検索」の条文を印刷・ファイリングし、常に見られるようにしていました。
直前期は模試の範囲を徹底的に勉強する
直前期は、試験日も近づいてきて、「模試の範囲以外にも理論を回さなければ!」という気持ちになりますが、試験勉強に専念できない中であれもこれも手をつけるのはとても難しいと思います。これは先生にも言われたことですが、試験1か月前になれば理論を何度も回転できる機会がありますし、たとえば実力判定公開模擬試験や直前対策講義、プレ模擬試験のようなタイミングではそれぞれ理論を1回転できるように範囲が組まれています。多く回転させるタイミングは必ずやってくるので、直前答練の期間は、とにかく毎回の範囲を徹底的に勉強することが大事だと思います。
私は答練用の理論回転表を作成して、実際に毎回の模試に向けて進めていました。
自分がこれだと思う方法を信じて貫く
試験勉強で自分が何を大事にしていたか思い返してみると、私の場合は、「専門学校を全力で信じて、ついていく」ことだったように思います。試験期間が長くなるほど不安になりますが、「いろいろな受験生を見てきた先生方が考えてくれているのだから、絶対に大丈夫!」と思い、その気持ちがより強かった年に合格できた気がします。
人それぞれ勉強方法は異なると思いますが、自分がこれだと思う方法を信じ貫くことが大事なのではないでしょうか。この体験記を読んでくださった方にとって、気づきになるものが一つでもあれば幸いです。
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