加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
新株予約権10個を1個当たり2,000円で発行し、払込金額は当座預金とした。また、新株予約権の発行に際して、発行費用800円を現金で支払った。
(借)当座預金 20,000
(貸)新株予約権 20,000
(借)株式交付費 800
(貸)現金 800
【正解】 ×
新株予約権の発行に係る費用は、繰延資産として、「新株予約権発行費」として計上することができる。
(借)新株予約権発行費 800
(貸)現金 800
【根拠となる実務指針】
実務対応報告第19号「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」
(2) 社債発行費等の会計処理
(略)
また、新株予約権の発行に係る費用についても、資金調達などの財務活動(組織再編の対価として新株予約権を交付する場合を含む。)に係るものについては、社債発行費と同様に繰延資産として会計処理することができる。この場合には、新株予約権の発行のときから、3年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法により償却をしなければならない。ただし、新株予約権が社債に付されている場合で、当該新株予約権付社債を一括法により処理するときは、当該新株予約権付社債の発行に係る費用は、社債発行費として処理する。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。