
はじめに
あまり知られていない公認会計士試験合格後の世界、のぞいてみませんか?
はじめまして。藤原ドン子と申します。
私は2022年公認会計士試験に合格し、実務補習所の単位を取得し終え、2025年度の修了考査を受験しました(執筆時点では合否待ち)。
この記事では、会計士試験受験生だった当時の自分が知りたかったことを書いています。今回のテーマは「補習所」です。「補習所」の制度については、記事内で軽く説明しますが、メインは経験談となることをご了承ください。
私は補習所に入所するまで、具体的にどんな生活になるか想像していませんでした。しかし、実際入所すると、J1(入所1年目)の春は想像以上に慌ただしかったです。この記事では、前半で入所早々にショックを受けた瞬間、後半ではそれでも補習所に通い続けた理由をお話します。
ぜひ、公認会計士試験合格後に通う補習所のイメージを膨らませてみてください。
補習所1年目、合格後のキラキラはどこへ?

公認会計士試験合格者が通う研修機関「実務補習所(略して「補習所」)」は、受講生は基本的に3年間所属し、講義・考査・課題研究・ゼミなどで単位を取得します。多くの受講生は監査法人で働きながら通っています。
私は昨年(2025年)に補習所の単位を取得し終えましたが、振り返ると補習所は入所1年目の2~3月が一番忙しかったです。
理由は、
- 監査法人が2月入社だったため、入社して仕事に慣れていない時期と被った
- 2〜3月は補習所の考査(定期テストのようなものです)が約2週間に1回実施
- 同時進行で補習所の「課題研究(通称、かだけん)」(レポートのようなものです)の作成
- さらに、土日は補習所のゼミ等
と、予定がパンパンでした。
やっと何も予定がない土日でも、考査に向けた勉強をしなければなりません。
金曜の夜、大学時代の友達から「飲み行こ」のLINE。
私はテキストを閉じながら「ごめん、考査…」と返信していました。
気づけば、予備校時代に一緒に勉強していた同期とまた同じカフェの同じ場所で勉強していて、脳がバグりそうになりました。
「えっ、私たち会計士試験受かったんだよね?」
当時と違うのは、開いているテキストが補習所のものに変わっただけです。
「次にここで一緒に勉強するのは3年後の修了考査かもね」
そんな話を合格時にしていたのに、数か月で再会しました。
「(思っていたキラキラ社会人生活と全然違うやんっ!!)」
心の叫びが止まりません!
それもそのはず。J1(入所1年目)で取る単位、実は全体の約7割です(2022年期入所時)。
ちなみに、J2(入所2年目)やJ3(入所3年目)になると補習所はぐっと楽になります。私の場合、入所してすぐの2~3月が山場でした。ここを終えれば緩やかな下り坂です。
また、J1で取れなかった単位は翌年に取れたり、考査だと追試が別日程で開催されたりと、救済措置は色々と設けられているので安心してください。私は考査で赤点を取ってしまい、何度か追試代1万5千円/回を支払ったことがあります。
忙しすぎる補習所ですが、私が補習所を嫌いになれなかった理由が補習所講師の「昔話」です。
それでも補習所に通い続けた理由

補習所で特に印象に残っているのは、現役バリバリ公認会計士による「昔話」です。
正確には「昔話」というより、例えるなら、その時代にX(旧Twitter)があったらツイートされていそうな当時の現場スタッフのリアルな声を聞くことができます。
雑談に近い「昔話」は映像授業(eラン)には残らない対面講義でなされることが多いです。補習所の授業内容からは脱線していますからね、仕方ないです。
そのため、私は必須単位じゃなくても、「昔話」を聞きたいがために仕事終わりでも講義に足しげく通っていました。特に、「不正対応時の話」は大好物です。仕事終わりの疲れた体でも、勝手に脳が覚醒して聞き入ってしまいます。
そういえば、会計士受験生時代から授業の本論よりも講師の雑談が好きなタイプでした。
補習所講師の話は、もちろん守秘義務の範囲で話されるので、色々とぼかされています。しかし、時代背景や手口などから「もしや、あの有名な不正事件か!?」と内心ハラハラ、ドキドキしながらお話を聞いていました。
公認会計士試験合格後に聞く、不正現場のリアルな話はめちゃくちゃ面白いです。会計処理が理解できるので、「私、話についていけている!」と一人興奮していました。
さらに、監査法人で実務をやった後で聞くからこそ、現場の熱量を感じられ、どれくらい大変だったかがリアルに想像できます。
当時の現場スタッフはこんな風に仕事をしていた、
監査調書は手書きだったため、過去調書の字が汚いと読み解くのが大変、などなど。
ジュルリ、どれもヨダレがでそうな内容ばかりでした。ごちそうさまです。
ふと横を見ると、隣の席でさっきまでウトウトしていた見知らぬ彼が、昔話が始まったとたんに講師を見て聞き入っています。チラっと席の後ろを見ると、多くの受講生がペンを止めて聞き入っていました。
ほうほう、ヨダレを出しているのは私だけではないようです。
現在会計士受験生のみなさん、補習所講師のここだけの「昔話」は将来のお楽しみに!
おわりに:キラキラは「夏」にやってくる
受験生のみなさんに、ここで朗報です。
キラキラ社会人生活は、夏にやってきます!(実体験より)
監査法人での繁忙期を終え、補習所の後期が終わったタイミングの8月、9月は本当のキラキラタイムを味わえます。具体的には、お盆休みと有給休暇を繋げて2週間ほど休暇をとる同期が多かったです。
多くの同期は、海外旅行に出かけていました。
ちなみに、私は北海道旅行に一週間出かけました。
受験生のみなさんは、監査法人入社後のキラキラタイムは「春」というより「夏」とぼんやり頭の片隅に置いておくと現実とのギャップに悩まないかもしれませんね。
<執筆者紹介>
藤原ドン子
2022年公認会計士試験合格。
2025年度修了考査受験(執筆時点では合否待ち)。
監査法人での実務経験をもとに、X(旧Twitter)にて、会計士の日常を「四コマ漫画」でゆるく発信中。会計士あるあるをテーマにした四コマは、会計士から「分かり過ぎる…!」と好評。 お堅いイメージのある「会計士の世界」を、四コマを通して少しでも身近に感じてもらえたら嬉しいです。
X(旧Twitter):@mikantonya
HP :https://accounting-cat.com/











