【会計士合格体験記】5年のブランクを経て再挑戦!緻密な戦略で合格を勝ち取る


山下純平
(26歳)

〈受験情報〉
学習スタイル:CPA会計学院(通学)
受験歴:2017年8月~2018年3月
    2023年1月~2024年8月(短答式:2023年12月合格/論文式:2024年8月合格)
▶トップ画像は山下さん愛用の教材や文房具、暑さ対策グッズなど(本人提供)

一度撤退。5年のブランクを経て再挑戦

会計士試験の学習時期が2回に分かれています。

1回目の学習時期は2017年8月から2018年3月の約8か月間です。
何かに打ち込みたかったこと、自分の強みが欲しかったことから、予備校で紹介された会計士試験に挑戦することにしました。
ですが、あまりの勉強量の多さから、途中で勉強を放棄してしまいました。

会計士受験から撤退してから、次に学習を再開するまでには約5年間のブランクが空いていました。
その間は、日本文学に没頭したり、一般就活をしたものの挫折したり、大学を二回留年したりといった出来事がありました。
進路がボロボロになりながら、自分に合った現実的な職業として会計士という仕事を再び意識するようになり、再チャレンジすることを決意しました。

2回目の学習時期は2023年1月から2024年8月までの約1年7ヶ月です。
2023年3月の大学卒業後は週1のアルバイトをしながら、学習を続けました。
2023年5月の短答式試験の不合格を経た後、2023年12月の短答式試験に何とか合格し、2024年8月の論文式試験にも無事合格できました。

具体的な学習方法や学習計画

おおむね予備校のカリキュラムに従って学習を進めていました。具体的には、まずオンラインで講義を聞き、記憶が残っているうちにしっかり復習をした上で、該当範囲の問題集を解き、計算科目については繰り返し例題を解く、といった一連の過程をこなしていました。
また、答練については、たとえ学習が間に合っていなくてもできるだけスケジュール通りに受験するよう心がけていました。

学習計画については、Google スプレッドシートで計画表を作成し、スマホで日々記録を付けていました。添付した写真のように、左側の列には目次一覧(講義のチャプター一覧や例題のタイトル一覧など)を書き、右側の列には進捗状況を記録していました。
講義を全て聞き終えたら、右側の列のセルに色を塗るといったシンプルな仕組みを採用することで、進捗を可視化してモチベーションを維持し、短答期も論文期も乗り切っていました。

Googleスプレッドシート 講義計画表

合格の決め手は、チューターや講師への相談と戦略立案

短答式試験は(お試し受験を除き)2023年5月と12月の合計2回受験しました。

これら2つの受験を比較した時の最も大きな違いは、カリキュラムの進捗状況です。
2023年5月の短答式試験の際は理論科目の講義をほとんど受けられていない状態での受験でした。答練もほとんどE判定でした。

一方で、2023年12月の短答式試験の際は一部の例外を除いて講義は一通り聞き終えており、テキストの加工や問題集の演習といった土台作りもある程度仕上がっていました。
予備校のカリキュラムにおおむね忠実に従い、それなりに消化した状態で受験できたことがやはり大きな勝因だったように思います。

また、私の実感として、チューターや講師の方々にこまめに質問・相談していたことも合格の決め手の一つだったと感じています。
私が在籍していたCPA会計学院では、質問・相談体制が非常に充実しており、2023年1月から2024年8月までの間に合計27回講師に相談し、合計13回チューターに相談していました。
予備校の質問・相談の制度を徹底的に利用したことが、合格につながったと感じています。

他には、戦略をしっかり考えていたことも挙げられます。
12月の短答式試験に臨むにあたり、試験時間中の意思決定の最適化をするべく、様々なシミュレーションを行っていました。
例えば、「短答の4肢のうち1肢が全然分からない場合にどう決断するか」「計算した結果が選択肢6択に含まれていなかった場合にどう態勢を立て直すか」「一つの計算問題に大体何分ぐらいで切り上げるか」といった具合に、想定される難局を予め特定し言語化した上で、それぞれに対して方針を事前に定めていました。
さらに計算科目については、問題を解く順番、問題の取捨選択の方針などについても一つひとつ言語化して戦略を立てていました。

これらのシミュレーションを事前にしておくことにより、試験時間中に平常心を保ちながら解くべき問題に集中することができ、ひいては得点の最大化に貢献したように思います。

戦略表 状況別の行動方針(短答用)
短答 管理会計 時間配分の戦略

スタプラで勉強時間を記録するなどオンラインツールを活用

Studyplusというアプリをスマホにインストールして、日々の学習時間を記録していました。
このアプリでは、毎日・毎週・毎月の学習時間がグラフで表示される上、科目ごと/教材ごとの学習時間やその比率もグラフで表示されます。そのため、学習の偏りを防ぐとともに、モチベーションを維持することに貢献していました。

Studyplus 学習時間の推移の記録

また、学習のハードルを下げるため、学習全般にスマホやタブレットを活用していました。
Googleスプレッドシートでの計画表作成や、Studyplusでの学習時間記録に加えて、Goodnotesに教材類のPDFファイルを取り込み、スマホやタブレットがあればいつでもどこでも閲覧できる状態にしていました。

他にも、予備校の受講生専用サイトのWeb問題集を解いたり、受講生向けの「オープン面談」にZoomで参加したりと、オンラインの学習環境をフル活用していました。こうしたオンラインの各種ツールのおかげで、モチベーションが向上して継続的な学習ができるようになっていました。

(参考用)成績の推移

2023年5月短答

直前答練:E→D→E→E
模試:未受験
本試験:63.6%(ボーダー -6%)(企業法65点・管理会計44点・監査論65点・財務会計論144点)
総評:圧倒的に準備不足の中、本試験に向けて死に物狂いで努力していた時期です。結果こそ報われなかったものの、のちの合格のための土台作りをした大切な時期であったと今振り返って感じています。

2023年12月短答

直前答練:D→C→D→C
模試:C(得点は500点中297点)
本試験:83.4%(ボーダー+8%)(企業法80点・管理会計71点・監査論90点・財務会計176点)
総評:予備校のカリキュラムはそれなりに消化した状態で本試験に臨めました。とはいえ、学習が間に合っていない箇所も大量にあり、また本試験中も自信がない問題も続出しましたが、結果的に過去最高点を獲得して短答を終えることができました。

2024年8月論文

上級答練・直前答練:多すぎるため省略(財務会計・管理会計・監査論・企業法はそれぞれ9回、租税法は13回、経営学は10回、合計59回の答練を全て受けきりました)
模試:1回目はB判定(得点率52.12)、2回目はA判定(得点率55.10)
本試験:58.39(会計学57.78・監査論63.55・企業法63.10・租税法53.15・経営学55.60)
総評:とにかく答練をスケジュール通りに受けきること、また2回目の論文模試で結果を出すことを意識しました。論述が得意だったこともあり、短答よりは順調に乗り切ることができました。

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