【税理士合格体験記】語学という全く畑違いの世界から税理士を志し、3回目の受験で消費税法にリベンジ合格!


HAL
(愛知学院大学大学院2年、会計事務所勤務、20代)

<受験情報>
合格科目:財務諸表論(2020年)、消費税法(2022年)
学習スタイル:大学院+資格の大原(通学)
▶︎トップ画像は繰り返し解いた問題のタワー

税理士を目指したきっかけ

よくある話ですが、私が税理士を目指したきっかけは、個人会計事務所を経営する税理士の父と同事務所で働く社労士である母の存在にあります。

もともと私は英語教員を目指し、大学では語学を学んでいました。アメリカと中国に留学し、教師になったら語学の楽しさを生徒に伝える準備をしていました。しかし、教育実習を機に、私は教師になることを断念しました。その理由は、私がイメージしていた世界と違ったからです。

大学の卒業を控えた私は特にやりたいこともなくなり、無職まっしぐらでした。そこで、両親に相談し、税理士と社労士がどのような仕事かを聞いたうえで、私は税理士になることにしました。

中学・高校と本当に勉強が苦手で、ほぼ全科目で最下位付近をさまよっていた私にとって、とんでもない決断をしたと、今になって思います。

消費税法合格の決め手

消費税法は3回目の受験でやっと合格することができました。1回目は記念受験、2回目は合格する気で勉強していたものの、税法論文の執筆を並行していたこともあって、思いのほか学習量が少なかったのが敗因かもしれません。そして、3回目の第72回の試験にて合格することができました。

自分に合った効率的な解き方の模索

消費税法に合格できた理由は主に以下の4点あります。
①大手専門学校2校の両方の問題を解いた(授業は1校のみで、もう1校は資料通信のみ)こと
②独自の計算フォーマットを作成して、計算を簡略化し時間短縮に成功したこと
③理論を声に出して覚えたこと
④どこに配点が来るのかをとことん研究したこと

①大手専門学校2校の問題を解いた

合格した年は、大手専門学校2校の模擬試験を必ず両方とも解くようにしていました。それぞれ6回分ほどあったので少々大変でしたが、3回目の受験だということもあり、どちらかの専門学校のほうが有利な年だったといったような運任せの学習をしたくありませんでした。

学習途中で混乱しないために、受講は資格の大原のみでしたが、直前期の模試は全て受けていました。また、その模試は全てスキャンしてデータを保存し、ボタン1つですぐに印刷できるようにしていました。毎日印刷をして問題に直接書き込みながら解くようにしていました。

②独自の計算フォーマットを作成して、計算を簡略化し時間短縮に成功!

ゼロから計算フォーマットを作成をするのは難しいですが、大手2校の計算フォーマットの良いとこ取りであれば可能です。推奨されていた仮計算表の作成は私には合わなかったのでやめて、書くスピードはそのままに大幅な時間短縮に成功しました。

③理論のアウトプットは書かずに声に出す!

理論を書いて覚えることも必要だとは思います。しかし、それは初回の学習時や必要に応じてやるべきであり、基本は口を動かして覚えるべきだと私は考えています。

もちろん、それが私に向いていたということもありますが、最も大きな理由は1日に大量にアウトプットできるということです。手書きだと1つの理論を書き出すのに20分かかるとしても、口頭だと5分です。

合っているかのチェックができないと不安になる方もいるかもしれませんが、1行ずつ隠したり、録音したりすることで確認ができます。最後の1週間は毎日2時間で全理論を1周していました。全理論を一日で手書きするとなったら…実現できなかったでしょう。

④どこに配点があるのかをとことん研究した

税理士試験では採点基準が公表されていませんが、消費税法の場合、意外と合計額に配点がなかったり、納税義務の配点が高くなかったりするのではないかと思いました。

時間をかけて電卓を叩いて合計額を出したものの、配点がない可能性が高いのであれば後回しにし、配点がくる可能性の高い項目を積極的に押さえるようにしました。
実際、合格した第72回の消費税法の試験では、ほとんど電卓を叩いていませんでした。

家族と学習仲間

受験において、やはり家族のサポートや共に合格を目指す仲間の存在は大切だと思います。私の場合、両親が国家試験経験者ということもあり理解があったので、大学院に通いながら受験に専念することができました。金銭的なサポートのみならず、受験勉強の相談に乗ってもらうなど、様々な面からのサポートを受けました。

また、専門学校で知り合った学習仲間の存在も大きかったです。私を含めた3人で、よく私の一人暮らしのアパートに集まり、昼から夜まで勉強したり、3人で気晴らしにお花見に行ったりもしました。

直前期には、午前中から集まり、食事も一緒にとり、夜まで勉強。いわば、友人らは自分の家に睡眠をとるためだけに、一時帰宅するような状態でした。

2つのテーブルを3人で使い、わからないことがあれば教え合い、時には一緒になって調べました。3人の他に、時折、勉強会に参加するメンバーもおり、その集まりを私の苗字を取って「○○塾」と親しみを込めて呼んでくれていました。

受験仲間との勉強風景

モチベーションの保ち方

私のスマホに保存していたものがあります。それは、税理士バッジや過去に消費税法に合格した方の合格通知の写真です。「合格したらこれが手に入るぞ」と、モチベーションを保っていました。

また、「実務ではどのようなことをするのか」といった実務の面白さを、よく両親から聞いていました。たまには、父が消費税の相談を持ち掛けてくれたこともあり、自分の知識が役立っている実感を得ながら学習を進めることができました。

他にも、受験生活が終わったらやりたいこと、買いたいものなどを書き記していました。友人にはよく「試験が終わったらNintendo Switchを買うんだ!」と話していましたが、未だに買っていません。

解いた回数を記録する

勉強は時間ベースではなく、「量ベース」でしていました。そして、解いた問題は絶対に捨てずにホチキスでまとめて、表紙に日付と解いた回数を記録していました。そうすることで、前回いつ解いたのか、今までどれだけの問題を解いたのかが一目でわかり、自信につながりました。

初年度のものは捨ててしまいましたが、2年目と3年目のものを合わせるとかなりの量になりました。合格がわかった後は、お礼を言って、すべてリサイクルステーションに投げ込みました。

税理士になった後も付き合える一生の仲間

税理士試験は他の試験に比べ長期戦です。自分に合った学習スタイルを見つけることが継続の鍵となります。

私は学習仲間や環境に恵まれたと実感しています。環境は人それぞれで、一人で淡々と勉強するほうが向いているという人もいると思いますが、情報交換は大切ですし学習仲間の存在はモチベーション維持にもつながりました。

税理士になった後も付き合える一生の仲間になる可能性も大いにあります。専門学校では同じ目標を持っている人たちと出会えます。勇気を出して声をかけてみてはどうでしょうか。

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