連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第124回)ー 税効果会計⑤


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

税効果会計の方法としての「繰延法」について,説明しなさい。

解答・解説

繰延法とは,会計上の収益又は費用の金額と税務上の益金又は損金の額に相違がある場合,その相違項目のうち,損益の期間帰属の相違に基づく差異(期間差異)について,発生した年度の当該差異に対する税金軽減額又は税金負担額を差異が解消する年度まで貸借対照表上,繰延税金資産又は繰延税金負債として計上する方法である。
したがって,税効果会計に適用される税率は期間差異が発生した年度の課税所得に適用された税率である。

*税効果実務指針33項(廃止済)参照
『収益・費用アプローチに立脚して,適用範囲は期間差異までとなる』(桜井23版,226頁)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
第120回 税効果会計①
第121回 税効果会計②
第122回 税効果会計③
第123回 税効果会計④

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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