みぃこ
(30代・税理士事務所職員)
<受験情報>
・合格科目:簿記論(令和元年度。同時受験の財務諸表論は59)、財務諸表論・国税徴収法(令和2年度)、所得税法(令和3年度)、消費税法(令和4年度)
・学習スタイル:会計科目→独学、2年目に直前対策・模試を資料通信/税法科目→資格の大原(通信)
▶︎トップ画像は税法科目の学習スケジュールと勉強時間を管理していたルーズリーフ、試験勉強を始めた時に買った3年半の相棒である筆箱と定規(本人提供)
税理士を目指したきっかけ
はじめまして。みぃこと申します。税理士事務所職員として5年ほど働いており、母と夫、未就学児の子供と暮らしています。
私も会計人コースWebの合格体験記を大変参考にさせてもらったこともあり、これから勉強を始める方や学習中の方々の参考になればと、今回執筆させていただきます。
大学を卒業後、フリーター生活をしていましたが、何となく取得した簿記2級をきっかけに税理士事務所に就職しました。そのモチベーションのまま税理士試験簿記論に申し込みましたが、長男の出産もあり試験を受けに行くことはしませんでした。
その後、事務所での仕事にも慣れ、楽しさを感じられるようになり、内勤ではなく外回りを希望しましたが、「女性であれば尚更、これからの時代には資格が必要だ」ということを所長に教えていただき、一念発起してもう一度、税理士試験に挑戦することにしました。
確定申告明けに「独学」での簿・財同時受験を決意!
一念発起したはいいものの、すでにその時期は確定申告シーズンが終わった3月下旬。かといって1年後に試験を伸ばすのはもったいなく感じたので、すぐに受験申込みをしました。簿記論と財務諸表論は同時学習が良いことや、+1,000円で受験できた(当時)ことから、同時受験に踏み切りましたが、学習が進むにつれて厳しく感じ、その年は簿記論に重点を置いて勉強することにしました。
4ヵ月後の本試験に向けた学習計画
目標は8月の本番。残り4ヵ月、自分が確保できる時間は週に20時間が限度でした。もちろん専門学校の授業を視聴している時間はなく、「独学」を決意しました。
初めにカレンダーをA4用紙に印刷して逆算で計画を立てることにしました。ざっくりと月の目標を立て、その目標を遂行するために週ごとにやることを決めていきます。
計画通りに進むことはなかなかありませんが、8月の試験は待ってくれないので、間に合いそうにない週はテキストを読むのみにするなどして、「目標のページまでは一応目を通した!」と達成感を味わう作戦をとり、何とかテキストを一周しました。
月別の独学スケジュール
・4月…日商1級商業簿記テキスト
・5月…4月の続き&財務諸表論理論テキスト。財務諸表論の理論テキストは、問いに対し記述式の答えが載っているものを使い、重要語句や定型文と思われる部分をマーカーで塗りつぶして、赤シートを使い音読していました。
・6月…全国模試に向けて簿記論用の個別問題集&簿記・財表ともに過去問&財表理論
・7月…6月の続き&弱点補強
上記の中で一番役に立ったと思ったのは、簿記論の個別問題集(100問ほどが厳選されたもの)です。総合問題はすべて個別問題が複合されたものだという意見を目にして、個別問題ができるようになるまで繰り返し解きました。
この100問は何度解き直してもできない問題ばかりで、覚えるくらい問題集を繰り返したため、こちらに載っていないものは捨て問だと諦めることができ、試験本番でも良い指標になりました。
取捨選択力を高めて簿記論合格!
捨て問を選び、取れるところを取る作戦で簿記論は合格しましたが、財務諸表論は1点足りませんでした。理論対策が遅れていたので、「理論が厳しかったのか」と思いましたが、体感としては思ったより計算が伸びなかったように感じました。簿記論の総合問題対策で大丈夫だろうというのは甘く、財務諸表論特有の集計方法にも慣れが必要だと思い、2年目は計算の演習時間も確保し、なんとかリベンジ合格することができてよかったです。
資格の大原にお世話になった税法科目
独学をやめた理由
独学での税法に自信がなかったというのもありますが、専門学校の一番のメリットは「学習計画が立てられていること」だと思っています。
8月に合格答案を作成するにはどんな力をつけたらよいか?
何をインプットするか?
足りない演習はどこか?
これらすべてを自分で考えて1年でやりきるのは厳しいと考え、どの税法も9月から初学者コースに申し込みました。資格の大原では毎月、学習計画表が配られるので、先ほどのような点を自分で考える必要は全くなく、決められたレールに乗って学習しました(このレールに乗るのもまた難しいのですが…)。
「赤シート&音読」がMy暗記スタイル
資格の大原のカリキュラムに従うといっても、理論だけは自分で覚えるほかありません。私もネットで情報収集し、色々な方法を模索しましたが、結局行きついたのは「赤シート&音読」でした。
以下、ざっくりとですが、私が実践した理論の暗記方法です。
- 授業の内容を『理論サブノート(理サブ)』に書き写す。この段階で計算との繋がりもなるべく理解する(基本的に、1回の講義中に計算テキストでやった範囲の理論を学習します)。
- 何回か普通に音読する。
- 赤シートを使って音読する(ここが一番長いです。スラスラ読めるようになるまで続くので、何回読んだことかわかりません)。
- 何も見ずに暗唱する(ここまで来たのは直前期でした)。
パソコンに打ち込む暗記法に憧れて何度もチャレンジしましたが、1週間ももたずに挫折しました…。
覚えた理論をどんどん忘れて辛くなりますが、「一旦忘れてもいい」という講師の言葉を信じ、自分から戻ることはしませんでした。5月頃から始まる実力判定テストで『理サブ』を1周するので、そこで覚え直しをして、直前まで理論を詰めていく方法を取りました。
また、資格の大原では直前1ヵ月間の「学習モデルプラン」が配られます。「働きながらこれをこなせる人間がいるのか⁉」というようなプランですが、なかでも理論の回転表がとても良いです。1週間で1回転から始まり、最後は2〜3日で1回転、直前までに7〜8回転できるように組まれています。私はこれを‟大原地獄の回転表”と呼び、直前期の理論勉強の柱としていました。直前期はとにかく理論を回しまくる! これに尽きると思います。
あえて朝型・夜型を決めず、仕事や育児と両立!
勉強が仕事に直結するので、直面した問題について『理サブ』を思い出したり、さらにその派生事項(横のつながりや計算方法)を考えるようにしていました。また、あまりスキマ時間に勉強するのが得意ではないので積極的にはやりませんでしたが、赤シートのアプリに『理サブ』の写真を入れておいたり、通勤中の車内でボイスレコーダーに録音した税法を流したりはしました。『理サブ』をスマホに入れて持ち歩くのはふと気になったときにすぐ確認できるのでオススメです。
「せっかく大原に申し込んでいるのだから、少しも無駄にしたくない!」という信念のもと、授業もテストもしっかり受けました。特に、所得税法は1週間に2回講義があるのでスケジュール的に厳しいのですが、通信講座の講義が更新される時刻は授業だと決めて、家族にも協力をお願いしていました。
また、授業外の主な勉強時間は朝か夜でした。私は寝ることが大好きで、布団に入ったらすぐ寝てしまう日もたくさんあるため、あえて朝型・夜型と決めずに、目が覚めた時が勉強時間と捉え、深夜であっても勉強を始める日もありました(もちろん次の日に支障が出るのでその後仮眠を取りますが…)。
基本的なスタンスは量より質だと考えていますが、かといって勉強時間が極端に少ないのでは合格が遠のいてしまうため、一定の勉強時間(カリキュラムに遅れない程度)は確保すべきだと思います。
「税理士になること」を考えない日はなかった
勉強を始める際には「子供が小学生になるまで」と目標を立て、結果的に達成できました。この期間で合格できたことは自分でも運が良かったと思いますが、「税理士になりたい」という思いは人一倍ありました。
勉強をしない日こそありましたが、税理士のことを考えない日はありませんでした。試験のことだけでなく、「税理士になったらこれをしよう」とか、「合格体験記にはこれを書くぞ」とか、イメージトレーニングはばっちりでしたし(笑)、日付が変わると更新される「会計人コースweb」を読んでから寝ようなど、日々のルーティンの中に税理士に関することが組み込まれていました。
また、家族や職場の協力なしにはこの合格はありませんでした。長く仕事に穴をあけたにもかかわらず、職場の方々は笑顔で送り出してくれて、科目合格ごとにとても喜んでくれました。
家族は勉強時間の工面に協力してくれた上に、勉強を続けていることをいつも褒めてくれました。褒めてもらえるのが嬉しくて、勉強が続けられたのだと思います。毎年、直前の日曜日には夫と子供が手作りのお守りをくれました。
試験は終わりましたが、勉強することはこれからのほうが多そうです。あの日、車内で考えた税理士像を実現するために、もっともっと研鑽を積んでいきたいです。皆さんも、一緒に頑張りましょう!
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