飯田真弓(税理士)
税理士事務所に勤務されている職員のみなさんは、所内、クライアント、税務署との関わりの中で、実はメンタルで病んでいる人が多いようです。
そうした中でも頑張っている皆さんに、税理士および職員の方々へのメンタル相談について経験豊富な飯田真弓先生(税理士)に今週全5回にわたり、アドバイスをいただきます。
第1回 毎日領収書の貼り付け作業ばかりやらされてるんです・・・。
第2回 税務調査で経営者に怒鳴られた!
第3回 社長さんに“税理士の資格、持ってないの?”といわれてしまったんです。
第4回 税理士受験生のアルバイト先のオススメは?
第5回 「なんでうちの会社の担当は女なんだ!」っていわれたんです・・・
(なお、このテーマで2022年春に書籍を出版予定です。ご期待ください!)
税理士受験生のアルバイト先のおすすめは? Aさんのケース
Aさんは、現在、32歳。大学を卒業して一度は金融機関に就職しました。でも、毎日、自転車で外回り。その後、支店に戻ると事務仕事を終えなければ自宅に帰ることができません。
「こんな働き方をしていては身体がもたない!」
そう思ったAさんは、退職を決意しました。
「せっかく大手の金融機関に入ったのに…。」と、ご両親は大変残念に思われたそうですが、Aさんの意志を尊重してくださったそうです。お父様は、凹んでいるAさんを見かねて知り合いの税理士事務所に勤めてみてはどうかと骨を折ってくれ、今はその税理士事務所で働くようになったそうです。
今回はそのAさんとのお話です。
A:「飯田先生。初めまして、こんにちは。」
飯田:「こんにちは。」
A:「今日は、ちょっと、飯田先生に相談というか聴いてほしいことがあるんです。」
飯田:「はい!なんでも話してもらっていいですよ。どんなことかな?」
A:「実は僕、今、税理士事務所に勤めてるんですけど、まだ税理士の資格は取れてないんです。」
飯田:「ふむふむ・・・。」
A:「やっぱり、税理士事務所に勤めるからには、資格を取っておいた方がいいのかなぁって思って、夜専門学校に通ってるんです。」
飯田:「へぇ~。頑張り屋さんなんやね。」
A:「それが、そんなでもないんです。」
飯田:「なんでなん?」
A:「あと、1科目、受からないんですよ。」
飯田:「そうなんや~。番頭さんになっても、あと1科目合格できずに、ずっと、番頭さんのままっていう人、結構いるもんねぇ。」
A:「やっぱり、そうなんですね。で、ちょっと、いったん勤めを辞めて、昼も専門学校に通おうかなあって考えたりしてるんです。」
飯田:「一大決心やね。」
A:「はい!」
飯田:「ずっと、勉強するのもいいけど、将来のことを考えて税務署でアルバイトするってもいいかもね。」
A:「えっ、税務署でアルバイト?ですか・・・?」