『税理士試験 直前予想問題集』もう解いた? 実力を“見える化”して学習効果を高めよう!


渡邉 圭
(千葉商科大学基盤教育機構准教授)

『税理士試験 直前予想問題集』でできることは?

私が教えている千葉商科大学「瑞穂会」では、毎年6月になると、『税理士試験 直前予想問題集』(会計人コースBOOKS)を使った問題演習をしています。

『税理士試験 直前予想問題集』では、各専門学校による模擬試験問題が出題されています。令和3年度版は、「学者×実務家のコラボ模試」というのも収録されているようですね。

私も受験生時代には『税理士試験 直前予想問題集』を使っていました。資格の大原に通っていましたが、他の専門学校の出題形式や理論の解答の表現が異なるので、本問題集で効率よく経験値を向上させることができたと思います。また、資格の大原では触れていない論点を東京CPA会計学院の問題で学習できたので、網羅的に論点を押さえることができました。

私が考える『税理士試験 直前予想問題集』でできることは、次の3つです。

① 時間配分の訓練
→本試験を想定して「実践力」が身につく!

② 習熟度別の復習
→苦手論点を発見し、ピンポイントで振り返り学習ができる!

③ 経験値の向上
→繰り返し問題を解くことで実力がアップ!

本記事では、『税理士試験 直前予想問題集』を使った具体的な学習方法をお伝えします。

各専門学校の難易度とボーダーラインは?

『税理士試験 直前予想問題集』の全体的な難易度としては、本試験と同等レベルです。そのため、総合計算問題集(応用編)と理論問題集で1回程度のアウトプット学習を完了している方が対象かと思います。

ここで、主観も入りますが、各専門学校の難易度とボーダーラインをまとめました。難易度はレベル感と問題量を考慮して設定しています。ボーダーラインは第1問~第3問の合計点(1回転目)の目安です。

* 本書で示されている合格ラインと点数が異なりますのでご注意ください。

<難易度の目安>
Aランク:初 級レベル
Bランク:中 級レベル
Cランク:上 級レベル
Dランク:最上級レベル

簿記論

財務諸表論

本問題集を解く際の参考にしてみてください。財務諸表論の理論の採点は難しいと思いますが、3点満点の問題であれば1~2点というふうに、厳しめに採点をしてください。

1回転目の平均点別にみる「振り返り学習」の方法は?

2回転目は1回転目よりも15~20点プラスになるように、見直しをしっかりしたいところです。そこで、今年度が初受験の方に向け、「振り返り学習」の方法をご紹介します。『税理士試験 直前予想問題集』の各模擬試験の1回転目の合計点の平均を目安に参考にしてみてください。 

* 平均点を計算する際には、今年度が初受験の場合は、東京CPA会計学院の合計点は除いたほうがよいかもしれません。東京CPA会計学院の難易度は高く、初受験よりは再受験される方向けのレベルです。

【0点~40点未満】
ヨコ解き問題集・個別問題集に振り返り、復習してください。

【40点~60点未満】
ヨコ解き問題集・個別問題集に振り返り、点数が獲得できなかった苦手論点を復習してください。また、総合問題に対する「まとめ方」を部分的に改善し、ケアレスミス対策をしてください。

【60点以上】

本問題集を使って2回転目の問題演習を行い、1回転目の点数+20点を獲得できるように復習してください。

1回転目の平均が0点~40点未満の方は、上記に加えて、「この解説と計算方法なら解ける」と、自分自身に解説本を書くようなイメージで手書きのまとめノートを作成してみるのもオススメです。その後、まとめノートの内容をベースに2回転目を解きます。

ただ、解答するときには時間制限がありますので、まとめノートに書いたとおりに細かくメモすることはできません。そのため、“まとめノートの内容をどれくらい省略すれば解答できるか”を探りながら学習していくのも効果的です。

実際に「瑞穂会」では、日商簿記1級ですが、このように「①時間無制限でまとめノート作成→②時間制限付きでまとめノートを省略したメモを書きながら問題演習」という学習方法で、本試験まで1回も模試で合格点に届かなかった学生が複数名合格しています。

また、財務諸表論は計算問題の点数獲得が合格への架け橋です。計算問題は解き直しをして40点以上獲得できるように復習しましょう。

点数が低いのは伸びるチャンス!?

簿記論・財務諸表論ともに、受験生の皆さんは、①個別問題→②総合計算問題(基礎編)→③総合計算問題(応用編)と学習してきたかと思います。財務諸表論は理論のインプット・アウトプット(1回程度)も完了している時期です。

つまり、自分のレベルが“見える化”できる時期。これからは、『税理士試験 直前予想問題集』のような模擬試験問題で獲得した点数別、または習熟度別の学習が求められます。

受験生のなかには、『税理士試験 直前予想問題集』がはじめて出会う本試験形式の模擬問題になる(なった)という方もいるでしょう。時間配分の訓練不足から思った以上に点数がとれなかった方もいたかと思います。

ここで気をつけてほしいのは「点数が低い=自分はできない」という思考です。「点数が低い=現在の学習方法が自分に合っていない」という考え方が正しいです。「点数が低い=課題が見つかり成長できるチャンスがある」と考えれば行動が変わってきます。

これからは自分のレベルに合った学習方法を見つけて勉強することが重要となります。『税理士試験 直前予想問題集』を活かし、自分に合った学習方法を見つけて効率よく学習していきましょう!

<執筆者紹介>
渡邉 圭(わたなべ・けい)
千葉商科大学基盤教育機構で准教授を務める傍ら、会計教育研究所「瑞穂会」で税理士試験講座(簿記論・財務諸表論)と日商簿記検定1級~3級講座を開講し、ともに多数の合格者を輩出している。


『税理士試験 簿記論 直前予想問題集(令和3年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2021/04/13
B5判 / 244頁
ISBN:978-4-502-38441-7
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『税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集(令和3年度)』

中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2021/04/13
B5判 / 192頁
ISBN:978-4-502-38451-6
ご購入はこちらから


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