【税理士試験 合格体験記】祝・官報合格! ブロガーYUMENOUEのすごい勉強法(メモリーツリー/暗記ステッパー/時間記録アプリ)


YU ME NO U E
(税理士法人勤務・30代)

出身地:静岡県
受験歴:6年目
合格科目:財務諸表論(2016年)/簿記論・所得税法(2017年)/法人税法(2018年)/消費税法(2020年)
学習時間:平日1~2時間/休日8時間
学習スタイル:専門学校(TAC)通信

目次
6年で官報合格
私の受験戦略
StudyPlusで勉強時間を記録
【簿記論】「間違いなく素早く解ける」がゴール
【財務諸表論】メモリーツリーで理解を深める
【税法】理論暗記は、暗記散歩と暗記ステッパーで
コロナ禍じゃなくても、Web講義がオススメ
メッセージ

6年で官報合格

第70回(令和2年度)税理士試験に官報合格をしましたYU ME NO U E(ゆめのうえ)です。6年間の受験、1科目合格するごとにダルマに目を入れて、ついに5個揃えることができました。

この6年間で使った青ボールペンの芯は113本! 1年間で約18.8本、1ヶ月で約1.5本。知らない人にとってはただの廃棄物ですが、私にとっては大切な宝物。オブジェにしようかと思っています♪

このダルマや青ボールペンの芯は、重ねた努力が目に見える形になったもの。受験期間中にもふと眺めて「大丈夫、私、成長してる。」って感じられたりするので、みなさんもやってみてはいかがでしょうか?

私の受験戦略

私の場合は、「フルタイムで働きながら」というスタイルで勉強することに決めていました。独身とはいえ年齢的に収入が途切れることに不安があったこと、受験に専念すると「今年絶対に合格しなくてはいけない」というプレッシャーに耐えられそうになかったことが主な理由です。どちらかというとネガティブな理由ですが、受験開始時には自動車メーカーのエンジニアだったこともあり、受験後半になったら実務経験も兼ねて働きながら取得したいというポジティブな気持ちもありました。

当初の計画は1年1科目で5年。こんな計画を立てる方は多いのでは? 私の場合は、まったくの異業種から勉強を始めたので基礎知識がなく暗記も苦手だったこと、そしてフルタイムで働きながらではどうしても専念受験生には勉強時間では勝てないこともあり、特に理論暗記のある税法は1年1科目が限界と思ってこのように考えました。(仮に受験専念でも1年2税法は自分には無理そうだなぁと思っています。)

しかし現実は計画通りにならず、不合格が2回(簿記論、消費税法)。計画より2年延びそうでしたが、逆に勉強を進めてみて、理論暗記のない簿記論と税法の組み合わせなら勉強のペースも掴みやすく同時受験もアリだなと思い、所得税法と簿記論は同時受験・同時合格できました。

結果としてトータル6年間で官報合格することができました。

税理士試験と他資格の主な受験歴。
実は、受験資格である日商簿記1級の勉強が楽しく続けられなかったら自分には適性がない、と思って撤退するつもりでした。

StudyPlusで勉強時間を記録

もうひとつ受験当初からやっていたことがあります。それは勉強時間記録アプリ(StudyPlus)です。

勉強時間がすべてではありませんが、自分は人より頭がいいとは思えないので、だったら人よりもたくさん勉強するしかないと考えていました。また「1日何時間勉強した?」と聞かれて、自習室に行っていた時間を答えても意味がありません。机に向かっていてもボーっとしていたら意味がありませんからね。なので、勉強時間記録アプリのスタートボタンとともに集中して勉強し、ストップボタンとともに休憩することにして正味時間をカウントしていました。

あと、つい休憩時間が長くなっちゃったりしませんか? 私はお茶休憩とかすると長くなってしまうんですよね。自分に甘いので、休憩時間を決めるなんてこともできず、せめて離席時間を計ることにしました。席に置いたストップウォッチのスタートボタンを押して休憩に出ます。すると、戻ってきてその時間を見て焦ったりして。そんなふうに休日の勉強は進めていました。

平日の勉強は出勤前の1時間。サラリーマンが時間を確保するためには朝の時間の活用が大事です。寝る前5分で次の日にやる内容を考えて、朝起きて勉強する。そうすれば夢の中でも勉強できていそうじゃない。直前期は暗記散歩に費やすことが多かったですね。

【簿記論】「間違いなく素早く解ける」がゴール

会計科目から受験を始める方が大半だと思います。日商簿記検定などから参入される方も多いかと思いますが、私も日商簿記1級・全経上級組。ある程度はできるかと思っていたものの、ずっと「解けなさすぎて震える」日々でした。直前まで点数は下位10%~20%。平均点が取れたときにはそれだけで喜んでいるレベル、そして、初受験の簿記論は不合格でした。

計算問題100%という出題形式なので、数字がすべて。部分点は期待できず、ごまかしがききません。さらには、2時間以内に解き終わらない量が出題されることも多いことから、点数の取れる問題を確実に得点することが求められます。そのためには、

「解ける」ではなく、「間違いなく解ける」。

「間違いなく解ける」ではなく、「間違いなく素早く解ける」。

この状態にもっていくのがゴールです。

「解ける」ではなく、「間違いなく解ける」

日々の問題を解くときに、なんとなく問題文の数字を電卓で叩いたら答えの数字になった、ではなく、ちゃんと問題文の意味を理解したうえで解けているかを確認することが大事です。はじめは理解が伴わない部分もあるかもしれませんが、直前期などもう一度その意味に立ち返ってみると、いつもと違う表現で出題されたときにも対応できるようになるはずです。

「間違いなく解ける」ではなく、「間違いなく素早く解ける」。

最終ゴールはここです。この論点はこの図を書く、下書きはこのように使う、というのをパターン化していきます。問題を読んだときにやるべき処理がパッと頭に浮かぶのが理想で、それによってこの問題は3分で解ける、この問題は時間がかかりそう、という取捨選択もできるようになると思います。


私は簿記論の下書きや問題文への書き込みはこんな風にやっていました。
簿記論下書き(育成中)~ブログ「資格の先のYU ME NO U E」より~

【財務諸表論】メモリーツリーで理解を深める

財務諸表論の本試験は、理論50:計算50という配分。「計算」については簿記論と共通するところが多いので割愛します。簿記論と違ってボリュームがさほど多くなく解きやすいものが多いので、反復練習を続けていけば点数も安定してくると思います。

問題は「理論」。財務諸表論ではじめて理論に触れる方も多いかもしれませんが、似たような言葉がいろんなところに出てきてパニックになっていた時期がありました。理論の文章を読みながら、「この文とこの文の違いがよくわからない…」「一体これは何を言っているんだろう…」と暗記どころではない状態でした。

そんなときに、運命的な出会いが。それが「メモリーツリー」です。大げさではなく私の受験生活、人生を変えたといえる勉強法です。

学習した内容をツリー状にまとめていくことで自分の頭の中を整理することができ、もやもやとしていた部分がすっきりと理解できます。そして、その理解できた瞬間をそのまま形に残すことができる。

作成には時間がかかりますが、夏への先行投資。3時間の学習を3分で復習できるツールにもなります(詳細な書き方は「会計人コース2018年3月号」にまとめて掲載していますので、もしよろしければご覧ください)。これを学習の中心にしたことで理論の暗記を進めることができました。

【税法】理論暗記は、暗記散歩と暗記ステッパーで

税法の学習において最も受験生を悩ますもの、理論暗記。苦行ですよね(汗) そんな暗記も楽しくできるようにと暗記散歩を始めました。近所や公園を散歩しながら暗記すれば、勉強すればするほど健康になる♪ 素晴らしいですね☆ 


いつもの散歩道。試験前にはたくさんの向日葵が応援してくれました。

最近では天気によらず、しかも近所の目を気にせずできる方法として「暗記ステッパー」を導入しました。ということで、私の暗記時間の大半は机に座っていません。合わせて身体を動かしながらのほうが記憶しやすいという噂もあるのでオススメです。


ステッパーは雨の日や夜、寒い冬や暑い夏にも暗記が進められるように導入しました。

また直前期には「理論回転表」も作って壁に貼っていました。その日にやったところをマーカーで塗っていきます。こうやって見える化すると自分が手薄な理論がわかったり、この理論は間が空いちゃっているから今週やろうかな、などと計画も立てられるのでとてもよかったです。


理論回転表。縦に理論の番号(1-1、1-2など)、横に日付を並べるシンプルなもの。
SNSで友人(通称:お外ちゃん)に教えてもらいましたが、この形式が一番しっくりきました。

ところどころ「w」「t」と書いていますが、これは実際に手で書いたり(write)、パソコンでタイピング(typing)したもの。口に出して暗唱するほうが時間がかからないですし、腱鞘炎の心配もないのですが、いざ書いてみると手が動かないということもあるので、直前期は1日1題くらいは書くのも必要だと思います。

コロナ禍じゃなくても、Web講義がオススメ

今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、教室で講義を受けていた方も自宅学習を余儀なくされ、Web講義に変更になったという方もいらっしゃるかもしれません。私はもとより地方在住でWeb講義だったので影響はありませんでしたが、もし近くに校舎があってもWeb講義を選んでいたと思います。

Web講義の2大メリットは、①いつでも受講できる、②倍速再生ができる、ということです。

いつでも受講できる

朝起きた瞬間から講義を聞くことができます。髪がボサボサでもパジャマのままでも気にせずに受講できるのはとてもいいです。仕事終わりの夜遅くでも受講できます。最高ですよね。

倍速再生ができる

多くのWeb講義には倍速再生機能がついていると思います。私はほとんどの講義を1.6倍~1.8倍速で聞いていました。教室で講義を受けると必ず2時間半~3時間の時間がかかりますが、これを半分くらいに短縮することができます。また聞き逃したところはリピートしたり、板書を写すときには動画を止めたり自由自在。これも教室講義にはできないメリットです。

早すぎると内容が理解できないのでは? と思われる方もいるかもしれませんが、意外とそんなことはありません。むしろ倍速再生で早口のほうが聞き逃さないようにと集中力が高まるとも言われています。最近ではYouTubeなどの動画もかなり早口で、編集で間を詰めたものが多いですが、そのイメージですね。

また、Web講義の講師は各専門学校のエース講師が担当している(と勝手に思っている)のもオススメする理由のひとつです。

メッセージ

難関資格である税理士試験。そのためには生活の多くの部分を試験勉強に費やさなければならないことも事実です。私は(いろいろあったこともあり…)、試験勉強をしてからプライベートで他の人と会ったり連絡することがほぼなくなりました。先日、何年ぶりかに友人に連絡をとって官報合格したことを伝えたのですが、周囲ではYU ME NO U E死亡説が流れていたそうです(苦笑)。でも、合格して税理士になることを報告したらみんなとても喜んでくれて、すごいねって言ってくれました。

今、この瞬間も黙々と勉強をしている受験生もいるかと思います。時には進んでいるのかいないのかわからなくなってしまうこともあるかもしれませんが、その努力の積み重ねは確実にあなたを成長させてくれています。「一歩一歩、それしかないし、それが最短距離。」

成長を感じながら、せっかくなら楽しく勉強していきましょう! ではーーっ!


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この合格体験記をご執筆いただいたYU ME NO U Eさんは、2019年、惜しくも消費税法に59点不合格でした。編集部では、そんなYU ME NO U Eさんに、どう気持ちを切り替えて同じ科目を勉強するか、インタビューを行っています! 悔しい結果を乗り越えての2020年の官報合格! 「なかなかやる気が起きない」という方、必見です☆


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