【大学院体験記】1日でも早く税理士になるために


受験生へのメッセージ

税法免除大学院は、実は決して楽に税理士資格を得られる場所とはいえません。

税理士試験の予備校では座って講師の話を聞いていればよく、言われたとおりに勉強していれば合格に必要な力を身につけることができました。しかし、大学院では、自ら考えて学ばなければ、科目免除に必要な論文を書く力を身につけることができないことを日々感じています。

講義時間以外にも多くの課題に取り組まなければいけませんが、日中の仕事の質は落とせないので、学生時代のように徹夜でなんとか仕上げるわけにもいきません。学費は安くはなく、論文のみならず課題にも追われるため、2年間は多くのことを犠牲にする覚悟が必要になると思います。

しかし、大学院に行く価値は、これらのことを補って余りあります。まず、大学院に行く方法もあるとわかっていれば、5科目という果てしない道のりを2科目あるいは3科目という短い道のりにできることに気がつきます。そのため私は、「税理士試験でまず1科目受かろう」と思うことができ、とても気持ちが楽になりました。しかも、その「1科目」は、大学院進学の場合かなり重みがあります。

次に、大学院進学には確実性があるということです。税理士試験は、実力があっても必ず受かるとはかぎらない厳しい試験だと思います。でも、大学院は要件を満たせば、会計科目なら1科目、税法科目なら2科目を免除してもらえます。税理士資格というのはそれ自体がゴールではなく、税理士業務を行うためのスタートラインです。税理士試験の5科目に受かること自体が目的だというのではないかぎり、1日でも早く資格を手にしてスタートラインに立つことはとても大切なことだと思います。

そして何よりも、大学院では知的好奇心を満たすことができます。私は、昨日よりも今日、今日よりも明日、と日々成長している実感があります。こうした感覚が味わえるのは大学院ならではだと思います。また、大学院では多くの知識と経験をおもちの教授から指導を受けることができ、大人になってからのこうした経験はとても貴重です。

色々と不安に思うこともあると思います。でも、何事も試しにやってみれば案外うまくいくものです。そして、やってみなければ何も始まりません。志望の大学院が決まっている方は、入学した日を思い描いて、どうか入試対策を頑張ってください。大学院に興味があるけれど一歩が踏み出せないという方は、まずは入試説明会に参加してみてはどうですか。きっと想像していたよりも、大学院が親しみやすい場所であるとわかると思います。

来年の春、キャンパスでみなさんにお会いできることを楽しみにしています。


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