【大学院体験記】大学院生活で子どもと一緒に成長


だんご四兄弟
(九州圏の大学院・法学研究科1年)

大学院への進学のきっかけ

20代の頃、勤めていた会社では売上計算などの部門に配属されました。仕事が終わってから夜間の大学に編入して3年間通い、無事卒業できました。その後結婚を機に引っ越すことになり、仕事内容にもう少し踏み込んだ仕事がしたいと思っていたのですが、やむなく退職。ただ、できるならずっと仕事がしたいと思っていました。

子どもたちが大きくなるまでは仕事ができませんでしたが、ようやく落ち着いて自分の時間がもてるようになった頃、「一生できる仕事がしたい」と思い公認会計士を目指すようになりました。専門学校も受講して勉強していたのですが、短期間で論文試験まで合格するのは現状では難しいと感じ、科目合格ができる税理士試験に切り替えました。

このときにはすでに仕事も始めていたのですが、家事に子育て、勉強と時間を作るのが難しいのは社会人の方に共通する悩みでもあると思います。そんななか、同じ受験生の友人たちが大学院に進学して科目免除を受けることを勧めてくれました。身近に通っている人がいなかったのですが、調べていくうちに通学できそうな大学院があることがわかり、友人の知り合いで通った人がいたので話を聞きました。「通うなら早いほうがいい」とのことだったので、どたばた出願の準備に取りかかったのを覚えています。

入試対策

研究計画書の題材を探し、書き方のアドバイスをもらい、なんとか期日に間に合わせて入試に臨みました。私が受験(入学)した大学院は筆記試験の結果を見て合否を決めるそうです。学歴や実務経験は関係なく、公平な筆記試験で「修士論文を書き上げる力があるかどうか」を判断するようでした。

面接では提出した研究計画書について色々と質問されました。そのテーマを選んだ理由、何が問題点か、今の時点での解決策や自分の考えなど。

筆記試験対策としては、過去問が閲覧できるので、定番となっている問題は暗記しました。事例問題の対策としては特に何もしませんでしたが、日常実務で考えているとおりにケーススタディで解答したところ、おそらくほぼ正解だったと思います。入試対策といっても大学院によって試験問題が違うと思うので、まずはとにかく過去問を取得して解けるようにしておくのが一番だと思います。また、可能であるならば、入学後にも勉強することになるので、『租税判例百選』(有斐閣)に目を通しておくといいかもしれません。事例問題がそこから出ました。

大学院で身についた力

大学院が掲げる「将来に役立つ法的思考の基準を確立する(税理士は法律家)」という目標や、おそらく実務でも判例を調べたりすることを考えると、法律や条文を読んで解釈する力や、判例の正しい見方は必要になると思います。そういった意味で、租税法にとどまらない法律の解釈や判例を学ぶ機会があることはプラスになります。リーガルマインドの意識をもつこと、税法ができた根拠や成り立ちを知ることで、改正の方向性や背景も理解できると思います。

子どもたちにもいい影響

朝に勉強、帰宅してからは座る間もなく食事の用意、そしてリビングで勉強。疲れて色んなことができていないときもありますが、仕事・子育て・家事をしながら科目試験の勉強をしている姿を見ることで、子どもたちも目標に向かって勉強する意識をもつことができたのではないかと思います。親の背中を見て育っていると日々実感しています。子どもたちとできる家事も分担しています。ご飯を作ってくれたり、掃除してくれたり、手伝ってくれてありがとう。

受験生へメッセージ

少しでも大学院への進学はどうかと考えているのであれば、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。院試に合格後、4月の入学式、オリエンテーション、同期生との顔合わせを楽しみにしていましたが、春学期はオンライン授業でした。秋学期になってようやく対面授業となり、通学すること、教室で授業を受けディスカッションすること、同期生との雑談がとても楽しく感じています。2年間という限られた時間のなかで、自分が納得のいく修士論文を書き上げ、他の学科でもできるだけたくさんの知識を得られるように、仲間とともに切磋琢磨しながら頑張っていこうと思います。今やりたいことができることに感謝。

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