【公認会計士論文式試験】財務会計論で1点でも多くとる解答戦略


+α 2日間を走りぬくために

冬も近づいている時期の本試験です。手や指先が冷えていると電卓をうまく叩けない、文章がうまく書けないことがあります。その点で、カイロや手袋は必須です。ただし、試験会場は行ってみないとわかりません。もしかすると暖房が効きすぎて暑いかもしれないですし、換気のために窓が開いていて寒いかもしれません。どちらにも対応できるような準備を忘れないでください。

また、2日間で実施されることも今回の本試験の大きな特徴です。すでに模試などで体験している人もいるかもしれませんが、本番は想像以上だと思います。気力や体力勝負となることも否めません。最終盤で「手が疲れて書けない」ということも起こりえます。公認会計士試験合格者は「修了考査」を経験しますが、2日間でものすごく長い時間、試験を受けることになります。これが本当に疲れます。地獄でした(笑)。

何か対策があるとすれば、「仮想本試験」をやってみましょう。本試験の日程そのままの科目でやる必要はありません。租税法が終わっていない人はそれを中心にするもよし、計算科目で7割方を占めるもよし。とにかく自習計画どおりの科目でかまいません。ここで試してほしいのは、「持続的な集中力」「当日の過ごし方」です。直前期にこれを意識するだけで、心の余裕や自信に違いが出てきます。

ちなみに私は「2日間で食べる3食」まで試して決めていました。摂取する水分量も試して、どの時間帯にトイレに行きたくなるのかなど、色々と実験しました。本試験当日に無駄なことを考えず、全神経を問題に集中させるための準備です。途中10分寝るタイミングなんかも研究し、一番集中力が持続するパターンを決めました。

本試験中に疲れて頭が回らなくなったらどうしますか? 体調が悪くなったら? 水分の摂りすぎで気が散ってしまったら?

繰り返しになりますが、公認会計士試験は一発勝負のゲームです。当日に実力を発揮できなかったらそれで終わりです。実力を発揮するためには「作戦」や「戦略」が大事です。事前にできる準備は全部やりましょう。それが安心感や自信につながり、緊張を少しでも和らげてくれます。参考になるところがありましたら、ぜひ実践してみてください!


〈執筆者紹介〉
井上 修(いのうえ・しゅう)
慶応義塾大学経済学部卒業。東北大学大学院経済学研究科専門職学位課程会計専門職専攻修了、会計学修士号(専門職)。研究分野はIFRSと日本基準の比較研究、特別損益項目に関する実証研究などであり、2020年度に博士号(経営学)を取得見込み。
福岡大学「会計専門職プログラム」では、現役の大学生が多数、公認会計士試験や税理士試験簿記論・財務諸表論に在学中の合格を果たしている。本プログラムから平成30年度は10名、令和元年度は5名が公認会計士試験に合格。


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