2 理論科目の学習ポイントアドバイス
(1)企業法や監査論などの理論科目に共通するものとして、論述に関しては、論理の流れや文章構成、言い回しなどを答練の優秀答案を使って自分なりに研究しておくとよいでしょう。
論述試験は、専門用語を使ってとにかく解答欄を埋めることが先決だと考えている人も、もしかしたらいるかもしれません。
しかし、論述は、単に専門用語を散りばめて行数を埋めれば点数がくるというものではなく、論理の流れがすごく大事(とくに法律科目)で、また、簡潔明瞭に書くことが非常に重要です。
ただし、論文合格者でも答案のレベルは決して高いわけではなく、答練や過去問の解説にあるような論証例レベルの答案でなくても合格できる(模範解答は、講師が考え抜いて書いた文章なので、本試験の現場でこのレベルの答案を書くのは困難です)ので、そのことは頭の片隅に入れておいてください。
以上のことから、どのような文章が合格できる答案なのか、また、逆にどの程度の文章で合格できるのか、ということを肌感覚で理解するために、同じ受験生で、成績上位者の答案を研究し、どうしてこの答案の点数がいいのかを研究することをお勧めしています。
そのことで、不必要な高いレベルの答案を目指す結果、そこに過大な学習資源を割いてしまう(計算科目にも割かなければいけませんよね)愚を犯すことを避けることができます。
なお、研究といっても具体的にどうすれば・・?と思われた方もいるかもしれませんので、研究の方法について、参考として下記に列挙させていただきます。
【答案研究の方法】
・答案におけるキーワードの部分にマーカー等で線を引いてみる
・答案における論理の流れを理解するために、フローチャートにしてみる
・言い回しなどの表現を身につけておく(回りくどい言い回しが一切されていないなど)
・何度も読んでみて、どの程度のレベルで優秀答案となるのか肌感覚で知っておく
ちなみに、何度も受験経験のあるベテラン受験生の方には、特に上記のことをやっていただきたいと思います。
知識が豊富となってきて、不必要に答案に文章を書いてしまうことがままあるため、「点数を取るための文章」と割り切る形で、優秀答案を分析し、良いところはパクるという感じでやっていただければと思います。
なお、理論科目の勉強となると、答練や問題集の論証例をとにかく覚えようとしがちですが、基本的に本試験で覚えたことを丸々答案に書くという問題は稀で、ほとんどは、作文に近い形になります。このため、直前期の学習で「要はこういうことです」と説明できるようにしておくことをお勧めいたします。
(2)問題用紙の余白に書く答案構成についても研究しておく
理論科目における論述では、いきなり解答用紙に書き始めるのではなく、答案構成を練ることが非常に重要です(とくに法律科目)。そこで、過去問や答練などを使い、白紙に答案構成を練る練習もしておきましょう。
なお、企業法における問題は、試験用参照条文を使って、答案で使用する根拠条文をいかにすばやく探し出し、列挙できるかがポイントです。
このため、本試験で使用する試験用参照条文を日頃の学習で使用し、慣れておくようにしましょう(インターネットで購入できます)。
条文の使い方としては、条文集の最初のページに載っている目次がありますので、その目次を使って、お目当ての条文を探せるように練習しておくとよいでしょう(どこに、どのような条文があるのか、だいたいの見当がつくようにしておきましょう。
以上が、「論文式に向けて、これからの2ヵ月でやるべきこと」として列挙させていただいた内容になります。
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