今春から税法免除で大学院に進学する方へのアドバイス―思考法、金子『租税法』の読み方、修論テーマの選び方、試験との両立について


4 受験との両立はどうしたらよい?

―院生の中には、仕事をしながら税理士試験も継続して受験するという方も多いと思われます。そうした方は、どのような点に気をつければよいでしょうか?

金子 税理士試験は8月ですが、特に前期は、会計事務所、企業の経理関係に勤めている方にとっては、決算・申告の時期に重なり、非常に忙しい時期ですよね。

 大学院では税理士試験のサポートをしてくれるわけではありませんし、1でお話したように、「受験脳」と「研究脳」は違いますので、メリハリをつけていくことが重要だと思います。

 なお、指導教授によっては、大学院在籍中は税理士試験の受験を認めない、という方針の先生もいらっしゃいます。
 これは、よりよい修士論文を作成してほしいという方針からのものと思いますが、この点は、入学前、さらには受験前に十分調べて、また確認しておく必要がありますね。

―大学院で研究することにより、税理士試験では得られない大きな武器を手に入れられるんですね。最も、本人の努力次第かもしれませんが。本日は、お忙しい中お時間をいただき、どうもありがとうございました。

お話を伺った先生
金子 友裕(かねこ ともひろ)
東洋大学教授
2009年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了。博士(経営学)。明治大学助手、岩手県立大学講師、准教授、東洋大学准教授を経て現職。
<主要著書>
『法人税法入門講義(第4版)』中央経済社、2020年 他多数

金子先生のご著書『法人税法入門講義』は基礎力をつけるには最適です!

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