【解答】
(問1)
(A)真実な報告
(B)継続して適用
(C)変更
(D)利害関係者
(E)明瞭に表示
(問2)
a 真実性の原則
b 継続性の原則
c 明瞭性の原則
(問3)
2つの意味のうち、1つは連結財務諸表は個別財務諸表を基礎として作成されなければならないという意味であり、いま1つは基礎となる個別財務諸表自体が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されなければならないという意味である。(117字)
(問4)
退職給付会計における取扱いが挙げられる。すなわち、個別財務諸表上、退職給付引当金として計上された金額に、未認識の数理計算上の差異および過去勤務費用の残高を加減した金額をもって、連結貸借対照表上、退職給付に係る負債として計上する。(114字)
【解説】
連結財務諸表作成上の基本となる、一般原則からの出題です。企業会計原則に定められている一般原則と同様に、真実性の原則や継続性の原則、明瞭性の原則については明文に規定されています。他方で、正規の簿記の原則や資本と利益区分の原則など、規定されていない原則もありますが、これらについては個別財務諸表基準性の原則によって、担保されている(=個別財務諸表自体が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されている)ものと考えることができます。
連結上の一般原則をめぐっては、個別財務諸表基準性の原則に、2つの意味があるという点が典型論点として挙げられます。他方で、近年のコンバージェンスの影響として連単分離の状況が生じている(連結財務諸表と個別財務諸表とで異なる会計処理規定が設けられ、結果として両財務諸表による会計情報の提供内容に差異が生じる)点については、関心が集まっている論点といえますので、あわせて押さえておくとよいでしょう。
ちなみに、(問4)の別解としては、「段階取得した子会社株式の評価額」なども挙げられます。本誌(2019年6月号)では解説していない論点なので、少し補足しておきます。
たとえばある企業が他の企業の株式を20%取得(第1回購入)して関連会社とし、その後でさらに60%を追加で取得(第2回購入)して同社を子会社とした場合、個別財務諸表上では、取得原価の合計額が子会社株式の評価額とされます。
他方、連結財務諸表作成のための資本連結をする際には、第1回購入分の株式を、支配獲得時の時価で評価替えする(=第1回購入分&第2回購入分の両方を、支配獲得日の時価で測定する)ことが求められます。この時生じる評価差額は、段階取得に係る損益として処理します。
つぶ問は、2018年9月号~2019年8月号までの連載「独学合格プロジェクト 簿記論・財務諸表論」(中村英敏・中央大学准教授/小阪敬志・日本大学准教授)に連動した問題です。つぶ問の出題に関係するバックナンバーはこちらから購入することができます。
【つぶ問】一覧
つぶ問1-1(財務諸表論)
つぶ問1-2(財務諸表論)
つぶ問1-3(財務諸表論)-概念フレームワーク
つぶ問1-4(財務諸表論)-企業会計原則
つぶ問2-1(財務諸表論)-棚卸資産の評価
つぶ問2-2(財務諸表論)―棚卸資産の評価
つぶ問2-3(財務諸表論)―固定資産の減損
つぶ問2-4(財務諸表論)―棚卸資産
つぶ問3-1(財務諸表論)―リース
つぶ問3-2(財務諸表論)―資産除去債務
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つぶ問3-4(財務諸表論)―研究開発費
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つぶ問6-3(財務諸表論)―純資産(各項目、自己株式、新株予約権)、包括利益
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つぶ問7-2(財務諸表論)―外貨、デリバティブ、ヘッジ、税金、税効果
つぶ問7-3(財務諸表論)―外貨、デリバティブ、ヘッジ、税金、税効果
つぶ問7-4(財務諸表論)―外貨、デリバティブ、ヘッジ、税金、税効果
つぶ問8-1(財務諸表論)―特商、工事収益、新収益認識
つぶ問8-2(財務諸表論)―特商、工事収益、新収益認識
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つぶ問9-1(財務諸表論)―CF計算書、会計上の変更
つぶ問9-2(財務諸表論)―CF計算書、会計上の変更
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つぶ問10-1(財務諸表論)―連結、のれん
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つぶ問10-4(財務諸表論)―連結、のれん
つぶ問11-1(財務諸表論)―企業結合、事業分離
つぶ問11-2(財務諸表論)―企業結合、事業分離
つぶ問11-3(財務諸表論)―企業結合、事業分離
つぶ問11-4(財務諸表論)―企業結合、事業分離