読書の秋! 森﨑千晶先生(税理士)がオススメする課題図書


【編集部より】
本を読むのにぴったりな季節。「何かオススメはないかな~」と探している人もいるのではないでしょうか。
そこで、本企画では、実務家などの読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「読書の秋の課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を順不同で掲載・不定期)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!

簡単な自己紹介

税理士の森﨑千晶と申します。

フランス文学を学んだ後、税理士へ転身しました。独立後は「海外の方と仕事がしたい」という思いから英語を学び直し、現在では10を超える国籍の方々と仕事をしています。今回ご紹介する3冊は、習慣、人との関わり方、そして社会の仕組みについて、私自身の考え方に大きな影響を与えてくれた本です。

オススメ書籍①『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』(ジェームズ・クリアー、パンローリング

James Clear “Atomic Habits: Tiny Changes, Remarkable Results”

私にとって英語は、仕事上欠かせないツールの一つです。普段から仕事以外でも英語に触れるようにしており、その中で出会ったのが本書でした。

本書のテーマはとてもシンプルです。小さな習慣がやがて大きな成果につながること、そして習慣を身につけるための具体的な方法が分かりやすく紹介されています。

私は以前から毎日ブログを書く習慣がありましたが、本書を読んでからは「自分を変えるには、習慣を味方につけることが何より大切だ」と考えるようになりました。現在もブログ、運動、語学学習を続けていますが、小さな積み重ねが少しずつ結果につながっていることを実感しています。

内容だけでなく、英語学習も兼ねて原書で読むのもおすすめです。

オススメ書籍②『異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』(エリン・メイヤー、英治出版

Erin Meyer “The Culture Map: Breaking Through the Invisible Boundaries of Global Business“

私のクライアントの多くは英語を共通言語として仕事をしていますが、英語が母国語ではない方も少なくありません。仕事上、さまざまな国の方から英語のメールをいただきますが、同じ英語であっても、メールが長い人もいれば短い人、論理を重視する人もいれば感情を大切にする人、用件だけを伝える人もいればユーモアを交える人もいます。もちろん個人差もありますが、その背景には育ってきた国や文化があり、その違いを考えることは私にとって仕事の面白さの一つでもあります。

本書は、ビジネスにおける異文化理解の重要性を分かりやすく教えてくれます。例えば、日本は「空気を読む」ことを重視するハイコンテキスト文化といわれます。一方、私のクライアントの多くは日本人ではないため、曖昧な表現よりも、シンプルかつ率直に伝えたほうが円滑に仕事が進む場面も少なくありません。

相手の文化を知ることは、相手を型にはめることではなく、「なぜそのような考え方や伝え方をするのか」を理解しようとすることです。本書を読んで以来、文化の違いを「壁」ではなく「違い」として楽しめるようになりました。海外の方と仕事をする機会がある方には、ぜひ一度読んでいただきたい一冊です。

オススメ書籍③『帳簿の世界史』(ジェイコブ・ソール、文藝春秋

私たちは日々、当たり前のように帳簿をつけています。しかし、本書を読むと、それが決して当たり前ではなかったことに気づかされます。複式簿記が誕生しても、すぐに社会へ広まったわけではありません。新しい仕組みが受け入れられ、商人の間に広まり、やがて社会を支えるインフラとなるまでには、長い年月が必要でした。

税理士として日々帳簿に向き合っていますが、本書を読んでからは、その一冊一冊の帳簿が歴史の積み重ねの上に成り立っていることを改めて意識するようになりました。普段何気なく目にしている帳簿が、社会を支えるインフラであり、歴史を動かしてきた存在だと知ると、日々の仕事も少し違って見えてくるかもしれません。

まとめ

一見すると、それぞれ異なるテーマの本です。しかし、私の中ではすべてがつながっています。習慣は自分をつくり、文化は人との関わり方を形づくり、帳簿は社会を支えています。どれも目には見えにくいものですが、私たちの人生や仕事を大きく動かしている存在です。読書の面白さは、別々に見えていた「点」が、ある日、一本の線として結び付く瞬間にあります。今年の秋、そんな一冊との出会いがあれば幸いです。

【プロフィール】

森﨑千晶(もりさき・ちあき)

森﨑千晶税理士事務所代表。フランス文学博士課程を満期退学後、税理士に転身。税理士として独立開業後、英語を学び直し、現在、10カ国を超える異なる国籍のクライアントと仕事中。仕事での使用言語は、日本語、英語、仏語。英語と仏語に加え、中国語と独語を勉強中。


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