加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
キャッシュ・フロー計算書において、当座借越が企業の日常の資金管理活動において現金同等物とほとんど同様に利用されている場合、当座借越の増減額は、短期借入れによる収入および短期借入金の返済による支出として表示される。
解答
×
当座借越は「負の現金同等物」として資金の範囲に含まれるため、増減額はキャッシュ・フロー計算書には収入または支出としては表示されない。
根 拠
会計制度委員会報告第8号「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」
負の現金同等物 3.当座借越契約に基づき、当座借越限度枠を企業が保有する現金及び現金同等物と同様に利用している場合があり、この場合の当座借越は、負の現金同等物を構成するものとする。 |
ワンポイントアドバイス
当座借越が資金調達の一環として利用される場合には、財務活動によるキャッシュ・フローの区分に表示することになります。当座借越が資金の範囲に含まれるかどうか、その利用目的を必ず確認しましょう。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。