Y.K
高卒社会人2年目からの挑戦
はじめまして、令和2年公認会計士試験に合格したY.Kと申します。公認会計士試験の勉強を始めたのは21歳。高校卒業後に東京都で公務員として働いていた社会人2年目のときです。
配属されたのが税金関連の部署で、納税が困難となった住民や企業から分割納付等の相談を受ける業務に携わっていました。
この業務で避けて通れないのが、企業の「貸借対照表」や「損益計算書」などの財務書類を見て、納税者の説明が合理的かどうか裏付けをとることです。
当時は簿記についてまったくの無知。ただただ納税者の言うことに頷き、要望を聞き受けることしかできませんでした。
そこで、業務の質を上げるため,自己研鑽も含めて簿記を学ぶことにしたのです。そのなかで知ったのが簿記の最上位資格である「公認会計士」。
私は大学に進まず、また役立つような資格やスキルも持ち合わせていなかったので、公認会計士について調べるたびにその魅力に惹かれていきました。
専念組との差を埋めるタイムスケジュール
「公認会計士」という資格を知ってすぐに予備校の講座を検討しはじめました。同じような境遇の受験仲間と勉強することでモチベーションが保てると考え、LEC東京リーガルマインドの19時からライブ講義を受講できるコースを選択しました。
とはいっても、当時の始業時間は8時45分。終業時間も繁忙期を除いて早くて18時。講義は19時から。土日祝日も1日を通して講義が行われます。
そのため、まず考えなければいけなかったのが、どうやって勉強時間を確保するのかということでした。
公認会計士試験の合格者は学生やフリーターなど、勉強時間を確保できる人が大多数です(令和2年論文式試験合格者のうち社会人は約9%)。勉強の質や集中力を上げることで、ある程度の差は埋められるものの、最低限の勉強時間を確保しなければ、勉強専念組と同じ土俵には立てません。
したがって、「仕事をしている時間以外はすべて勉強に充てる」「20代前半は先の10年20年のために捨てる」と腹をくくり、下記のようなタイムスケジュールで勉強に取り組むことにしました。
1日のはじまりは理論科目から、しかし計算科目も確実に押さえる!
朝は5時半に起床し、早めに家を出て職場近くのマクドナルドで勉強していました。
「朝など頭が冴えている時間帯には計算科目がよい」
講師の先生が言っていたりSNSでもよく見かける言葉です。しかし私は、仕事と勉強の両立からくる疲労や睡眠不足で、朝に頭が冴えているということがほとんどありませんでした。
そのため、朝は下記のように理論科目を中心とした勉強を行っていました。
【計算科目】
前日の講義の復習に留め、復習した論点に関連する問題を1問解く。
【理論科目】
計算科目の復習が終わりしだい、企業法や監査論、財務諸表論のテキストまたは問題集を読み込む。
ただし、計算科目を疎かにするわけにはいきません。公認会計士試験を乗り越えて思うことは、合格するためには計算科目で足を引っ張らないことです。
私は、お昼(12時~13時)や退社から講義まで(18時~19時)、講義が終わった後の勉強時間は、できるだけ計算科目に割いていました。
計算科目は「メモ書き」を残して“目で解く”
また、計算科目を勉強する際に意識していたのは、メモ書きを残すことです。
問題集に、解答のための下書きや解答までのアプローチをメモしておき、復習のたびに見返すようにしていました。
直前期には「問題」と「メモ書き」だけに目を通し、俗にいう「目で解く」ことを意識して回転していました。
ちなみに、講義を消化しおえた後は、その時間を答練の復習や過去問に充てていました。
このような生活を1年半ほど続けた結果、2017年12月の短答式試験に合格。まだ論文式試験が残っていたとはいえ、短答式試験に合格できたときは本当に嬉しくて達成感がありました。
短答式試験で意識していたこと
ここで、短答式試験の勉強で意識していたことと対策をまとめます。
★財務会計論で7割、企業法で8割を安定的にとれるように!
・財務会計論ではテキストと基本問題集のみを回転させます。答練は簡単に復習するに留め、回転媒体にはしていませんでした。
・企業法では一問一答集を何度も回転させ、理解が足りていない部分があれば、テキストに戻って簡単に説明できるようにします。私は合格した時点で、企業法の一問一答集を20周程度は回転させていたと思います。
★管理会計論は6割が目標! 解く順番、時間の使い方を確立させる。
・理論問題から解きはじめます。原価計算基準に関する理論は、満点または1問ミス程度まで精度を高めました。そのためには、答練や過去問を回転させることがオススメです。
・標準原価計算、CVP、事業部制など、短時間で解けて得点も期待できる論点は、確実にとれるようにします。
次回(5月24日掲載)は、論文式試験に合格したときのお話をさせていただきます!
本試験を迎える方へのメッセージ
ここからは、5月23日に短答式試験を受験される方へのメッセージです。
本試験まで残りわずかとなり、不安や焦りを感じていると思います。けれども、ここまで勉強を継続してきたことに自信をもってください。
悩んだり、不安や焦りを感じるのは、それだけ頑張ってきたから。この試験に本気で向き合ってきたからだと思います。
たくさんの講義を消化し、復習する。単純ですが、短答式試験まで準備を続けることがどれほどつらく、多くのものを犠牲にすることか。
短答式試験の突破を目指し、本気で対策をして受験することは、誰にでもできることではありません。だからこそ、ここまで過ごしてきた自分に自信をもってもいいのです。
そして、試験までの残りの時間を、本試験を、楽しんでください。
・答えがパッと浮かんでスラスラ解答する自分
・合格通知書を受け取る自分
・圧倒的な点数をたたき出して論文式試験の勉強に移行している自分
そんなプラスのイメージを常にもって、残りの期間を最大限に楽しみましょう!
本試験でベストの力を発揮できることを願っています。