加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
連結修正仕訳を示しなさい。
P社(親会社)がS社(連結子会社)から購入した商品に含まれる未実現利益は10,000円である。なお、P社の法定実効税率は30%、S社の法定実効税率は35%である。
(借)繰延税金資産 3,000
(貸)法人税等調整額 3,000
解答
×
販売側の法定実効税率を使用するので、S社の法定実効税率に基づき、税効果を適用する。
(借)繰延税金資産 3,500
(貸)法人税等調整額 3,500
根 拠
企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」
未実現損益の消去に係る一時差異の取扱い 34. 未実現利益の消去に係る連結財務諸表固有の将来減算一時差異については、売却元の連結会社において売却年度に納付した当該未実現利益に係る税金の額を繰延税金資産として計上する。計上した繰延税金資産については、当該未実現利益の実現に応じて取り崩す。 |
ワンポイントアドバイス
未実現損益に係る税効果は、繰延法の考え方を採用しているので、売却側の売却年度の法人税等を繰り延べることになります。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。