加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
P社はS社株式を、1回目に20%を取得価額1,500円、2回目に80%を取得価額8,000円で2回にわたり取得し、連結子会社とした。支配獲得時のS社の資本勘定が9,000円である場合、のれん500円が計上される。
解答
×
支配獲得時に投資(S社株式)が時価評価されるために、500円の段階取得に係る差益を計上し、のれんは1,000円となる。
連結修正仕訳
(借)S社株式 500
(貸)段階取得に係る差益 500
(借)資本 9,000
のれん 1,000
(貸)S社株式 10,000
根 拠
企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
投資と資本の相殺消去 23. 親会社の子会社に対する投資とこれに対応する子会社の資本は、相殺消去する。 (1) 親会社の子会社に対する投資の金額は、支配獲得日の時価による。 (2) 子会社の資本は、子会社の個別貸借対照表上の純資産の部における株主資本及び評価・換算差額等と評価差額からなる。 |
ワンポイントアドバイス
複数回にわたり株式を取得している場合は、支配獲得時に一括して取得したものと考えるので、当初との取得原価と支配獲得時の時価との差額を段階取得に係る損益として、連結損益計算書の特別損益に計上します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。