加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
決算整理に際して、外貨建新株予約権200ドル(発行時の為替相場1ドル=105円)について、決算時の為替相場が1ドル=100円)となった。
(借)新株予約権 1,000
(貸)為替差益 1,000
解答
×
新株予約権は発行時の為替相場により換算する。
よって、決算整理仕訳は不要である。
根 拠
会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
外貨建自社発行新株予約権の発行時の会計処理 19-2.外貨建自社発行新株予約権の発行時の円貨への換算は、発行時の為替相場による。ただし、外貨建新株予約権発行による入金外貨額に本邦通貨による為替予約等が締結され、振当処理を採用している場合には、為替予約等により確定した円貨額により記録する。 |
ワンポイントアドバイス
決算時の為替相場により換算替えをする項目は、為替変動リスクを負っているものと考えましょう。
したがって、新株予約権は金銭債権債務に該当しないため、決算時の為替相場ではなく、取引発生日の為替相場で換算します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。