あつまれ!「資格のかけ算」人 第6回 日本唯一の講談弁護士、池田六法


【編集部より】
資格は組み合わせでさらに輝く!『かけ合わせとつながりで稼ぐ資格のかけ算大全』(実務教育出版)が話題です。本連載では、資格の組み合わせで活躍する方々にご登場いただきます。

日本唯一の講談弁護士

皆さま、はじめまして。

講談弁護士の池田六法(いけだろっぽう)と申します。

法律と話芸が生業の弁護士芸人をしています。

保有する資格は弁護士で、「六法」という名前は六法全書からとった芸名です。

現在は、マセキ芸能社の芸人養成所に通い、今年のM-1グランプリでは1回戦突破を果たすこともできました。

なぜ弁護士の私が芸人活動をしているかといいますと、喋る仕事がしたいからです。
私は元々「喋る仕事」がしたくて弁護士になったのですが、弁護士業務の中心は「書く仕事」でした。

どうしたら弁護士資格を活かして喋る仕事ができるかを模索していたときに「講談」という話芸に出逢い、講談と弁護士を掛け合わせれば喋る仕事ができるかもしれないとひらめきました。

そこで、YouTube「六法ちゃんねる」を開設し、法律や裁判例を題材としたオリジナル講談を創作投稿していたところ、口コミが少しずつ広がり、行政を中心に法律講談会や法律講談セミナーのご依頼をいただけるようになりました。先日は、100周年を迎えた小学校の歴史を講談にして欲しいという弁護士とは全く無関係のご依頼まで頂戴しました(笑)。

資格の使い道は無限大

当たり前ですが、私は芸人になるために弁護士資格を取得したわけではありませんでした。

しかし、結果的に弁護士資格を保有していたからこそ、講談弁護士という唯一無二の活動を始めることができました。
私が弁護士でなかったら趣味として講談を披露するくらいだったかと思いますが、講談弁護士だからこそ、徐々にではありますが、自分がやりたかった「喋る仕事」へと繋げることができました。

先日はキャンセル待ちがでるほどの講談会を開催できる機会にも恵まれ、資格の使い道というのは無限大であることを、身をもって体感しています。

掛け合わせのポイント

資格を掛け合わせるメリットについては多くの方が仰っていますので、あえてデメリットを申し上げるならば、「上には上がいる」ということです。

例えば、弁護士と医者のダブルライセンスをお持ちの方がいたり、数多くの資格を保有する方がいたりします。
ですので、資格の掛け合わせをする際には、どのように資格を掛け合わせて差別化を図るのか具体的な戦略を考えることが極めて重要です。
その意味で、この連載を執筆されている他の先生方の記事が参考になりますので、ぜひそちらもご覧になってください。

また、資格同士の掛け合わせ以外にも、資格と資格以外のスキルとを掛け合わせることもおススメです。

例えば、私であれば、弁護士資格と講談というスキルを掛け合わせた結果、周囲に面白がっていただけるようになり、こうして記事の執筆依頼を頂戴したり、行政や教育機関とのご縁をいただけたりするようになりました。

勉強のコツ

私は現在、資格予備校アガルートアカデミーにて、法律資格試験の講師もしています。

「予備校講師の仕事は、受験指導と『話芸』だ」との言葉に出逢ったことがきっかけです。弁護士芸人と予備校講師には親和性があるので、まさに天職となりつつあります。

私が講師としてよく申し上げる勉強のコツは、ズバリ勉強法から勉強することです。

例えば、水泳を始めるとき、誰もが最初は泳ぎ方を教わるはずです。
泳ぎ方を教わらずに泳ぎ始めたら下手をすれば溺れてしまいます。

勉強も全く同じです。
テキストを読んだり問題集を解いたりする前に、まずは勉強法を勉強することから始めてみてください。

私がおススメする勉強法として一番に挙げるものは、アウトプット教材である問題集をインプット教材として使用することです。

つまり、問題集を「解く」のではなく「読む」のです。

皆さんの目的は本番の試験で合格点を取ることですから、初見で問題集を解けるようになる必要はありません。
むしろ最初のうちはどんどん解答解説をみて、反復を繰り返すなかで解けるようになればOKです。

なお、私の勉強法については、noteにて公開していますので、よろしければご覧ください。

これから目指すもの

私の十八番は「相続講談・磯野家骨肉の争い」です。

国民的アニメ・サザエさんを題材としたオリジナル講談になります(弁護士として著作権等には十分に留意をして創作しています)。なお、「相続講談」という名称は商標登録もしています。

私は講談弁護士として、「相続講談セミナー」という相続講談と相続セミナーを掛け合わせた日本唯一のセミナーを全国で実施していきたいと思っています。

被相続人となる方がお元気なときに相続について楽しく学べる機会を創りたく、士業の先生方、不動産会社、銀行、地方自治体などとコラボのうえ、日本全国を回れるようになることが目標です。
ありがたいことに早速行政からご依頼を頂戴し、法務局職員の方とご一緒に相続講談セミナーを実施する予定にもなっています。

弁護士の一般的な仕事は、残念ながら(?)喋る仕事ではありません。

ならば、「無い仕事は創るしかない」と決めて、いまの活動を始めました。
とはいえ、まだまだ弁護士芸人としても予備校講師としても駆け出しの身でありますので、まずは多くの方に顔と名前を覚えていただけるように、これからも法律と話芸を磨いていきたいと思います。

【プロフィール】
池田六法


日本唯一の講談弁護士。
マセキ芸人アカデミー1期生。
講談をとおして法律を面白く分かりやすく伝えることをモットーに活動中。
相続講談、労働法講談、消費者講談、憲法講談、裁判講談などを創作実演する。
講談のほか、弁護士×医者の漫才コンビ「ダブルライセンス」を結成し、M-1グランプリ2025・1回戦突破を果たす。
資格予備校・アガルートアカデミーの講師として、法律資格試験の講義を担当する。
音声プラットフォームVoicyにて、公認心理師のここちよ氏と「いきのび相談室」パーソナリティを務める。

池田六法公式サイトはこちら


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