【編集部】
税理士試験まであと約2週間。直前対策に余念がない日々なのではないでしょうか。
他流試合ができる唯一の問題集として毎年好評の『税理士試験 直前予想問題集』を、今年も瑞穂会(千葉商科大学)の現役受験生が解いたとのことで、早速お話を伺いました!
1回転目・2回転目の点数や、これから本試験までの対策などについてお聞きしているので、ぜひ参考にしてラストスパートをかけましょう!
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<瑞穂会・現役受験生が解いてみた!>
聞き手:
渡邉 圭先生
(千葉商科大学准教授。基盤教育機構・「瑞穂会」所属)
お話を聞いた受験生:
・中谷希尋さん
千葉商科大学大学院2年生。日商簿記1級合格後、昨年、簿記論を受験し合格。今年、財務諸表論を受験予定。
・加藤幸斗さん
千葉商科大学4年生。日商簿記1級合格後、今年、簿記論・財務諸表論を初めて受験予定。
いつもと違う理論問題を解くことで理解が深まった
渡邉先生 例年、瑞穂会のカリキュラムでは、過去問演習の前に、『税理士試験 直前予想問題集』を解くようにしています。
今年も受験生が解いたので、その感想や手応えなどからこれから本試験までの対策を考えてみましょう。
では、まず『税理士試験 財務諸表論 直前予想問題集』を2回解いた「採点結果」を教えてください。
中谷さん 2回転した結果は以下のとおりです。
*( )内は計算問題のみの点数
かえる先生 | 東京CPA | 瑞穂会 | 学者×実務家 | |
1回転目 | 60点(38点) | 55点(35点) | 69点(38点) | 77点(44点) |
2回転目 | 70点(42点) | 59点(38点) | 73点(42点) | 79点(45点) |
加藤さん 2回転目がまだ終わっておらず、1回転目の結果は以下のとおりです。
*( )内は計算問題のみの点数
かえる先生 | 東京CPA | 瑞穂会 | 学者×実務家 | |
1回転目 | 71点(42点) | 67点(44点) | 80点(44点) | 77点(40点) |
渡邉先生 2人とも計算は概ね40点を超えているので、ほぼ合格ラインにいると思います。今回、解きやすかった問題と解きにくかった問題があれば教えてください。
中谷さん 解きやすかった問題はかえる先生と学者×実務家で、特に解きにくかったのは東京CPAでした。
普段の学習では資格の大原の市販されている理論教材を使っていて、それをかなり覚えた状態で『直前予想問題集』の問題を解いたのですが、たとえば東京CPAの問題で応用的な論点も多くてあまり点数が伸びませんでした。
でも、それが今の知識にプラスされて、相乗的に理解が深まったので良かったです。
加藤さん 解きやすかったのが学者×実務家で、難しかったのが東京CPAです。
理論問題では、かえる先生と東京CPAが難しいなと感じていて、特にかえる先生の問題は会話形式で、理論を暗記するだけではなくて、理解をしていないと書けないような問題だったので、あまり点数が取れなくて悔しかったです。
渡邉先生 そうですね。
かえる先生の問題も良い意味で面白いですね。実は本試験の理論問題を見ても、いわゆる会計基準の問題が出たり、伝統的な企業会計原則からも問題が出されたりしているので、そのあたりも仕上げていかないとなかなか点が取れないんですよね。
直前予想問題集でいろいろな専門学校の問題を解くことで、理論もどんどん強くなると思います。
計算ミスを減らすためにしていること
渡邉先生 一方で、計算対策で何か工夫したところはありますか。
中谷さん 僕はかなりミスが多いタイプなので、日商簿記1級の頃からケアレスミス対策には力を入れていて、今回の財務諸表論の勉強でも「ケアレスミスノート」を作成しています。
「自分がどういったミスしているのか」というのを可視化するために「問題文の見落とし」、「転記ミス」、「計算の省略」、「日付間違い」など、全般的なミスをノートにまとめています。
問題を解く前には、そのノートを必ず一読してから解くようにしていて、最近は総合問題のケアレスミスが減ってきました。
渡邉先生 なるほど。自分の弱点を「見える化」したんですね。
加藤くんはどうですか。
加藤さん 僕の場合は、問題文の大事なところに線を引いたり、日付に丸をつけるようにしています。他には、転記で同じ数字がきちんと合ってるかを確認したりもするように心がけています。
これは、日商簿記1級の時から継続して気をつけるようにしていることです。
モチベーションをどう維持するか
渡邉先生 本試験まで1ヵ月を切りましたが、モチベーションの維持や気分転換などはどうしていますか。
中谷さん 僕は今年、財務諸表論だけの受験なので体力的にも余力があり、理論も暗記できて、計算も安定してきている状態で、本試験に備えてモチベーションを上げていかないといけないのですが、実は最近下がる傾向にありました。
なので、毎日やるべきことを機械的に決めて、その通りに行動することで、なんとかモチベーションが下がらないように心がけています。
渡邉先生 確かに。問題を解いて高得点が取れるようになると、逆に課題が見つからずに成長を全く感じられなくなるんですよね。
おそらく中谷くんも加藤くんも、「本当に本試験で点が取れるのかな」という心配が出てくる頃だと思うし、正直言って、それは本試験まで続くと思います。
その時は、「不安は49%あってもいい、51%の自信があれば十分!」そう思えば、緊張も多少は和らいで本試験に臨めると思いますよ。この2%の差がとても大きいんですよね。
『直前予想問題集』で見つかった課題をしっかり対策しながら、これから本試験までは、「健康とメンタルのケア」も大事にして過ごすようにしましょう!
(おわり)
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