【会計士合格体験記】 30代で一念発起して会計大学院へ! 勉強に専念できる環境を作って総合9位合格


くろかわ
(30代、社会人経験を経て、会計大学院2年)

<受験情報>
学習スタイル:CPA会計学院(当初は通信講座、途中から上級コースの通学)
受験歴:短答式(令和4年12月)→論文式(令和5年8月)
 ※短答式は令和3年5月、同年12月、令和4年5月にお試し受験。
▶︎トップ画像は使用していた教材(本人提供)

公認会計士を目指したきっかけ

大学時代は法学部で、当時は公認会計士の資格に興味はありませんでした。

就職後、会計に関わる仕事を担当し、はじめて簿記というものに触れました。
また、会計処理について公認会計士の方に相談したことで、公認会計士の仕事をはじめて知り、資格を活かして働き、知識を誰かの困り事の解決に役立てる姿を見て「格好良いな」と思いました。

その後コロナ渦となり、今後の社会の行方や、自分のキャリアに対して漠然とした不安を抱きました。
昨日まで当たり前だった日常がなくなってしまうのを見て、組織の中でこのまま30年間働き続けるより、自分が仕事を通して興味を持った会計という分野で、自分の強みを活かして生きていく道に挑戦したいと思うようになり、公認会計士を目指すことにしました。

会計大学院入学から論文式試験合格までの道のり

公認会計士試験を目指すことを決め、最初はCPA会計学院の通信講座に申し込みました。
しかし、働きながらの学習はかなり困難で、なかなか講義を消化できず…。途中で、仕事を休職して会計大学院に通い、またCPA会計学院にも通学しながら合格を目指すことにしました。

ただ、学習を始めてから会計大学院に入学するまでに2年近く経っていましたが、財務会計論の講義は全体の8割、管理会計論の講義は原価計算の部分しか終わっていませんでした。
学習方法としては、まずは会計科目を固めることを優先しました。

入学~夏休み(令和4年4~9月)

入学後、令和4年6月の日商簿記1級に合格することを目標にし、それまでに財務会計論と管理会計論のほとんどの範囲の受講を終えました。
また、会計大学院の授業でこれまで学習した範囲を復習できたのもよかったです。
結果、日商簿記1級に82点で合格することができました。

そして、7月頃から監査論と企業法の受講を急ピッチで進めました。
会計大学院の夏休みは、働いていたときには考えられないくらいの自由な時間があったため、両科目の受講を集中的に進めるとともに、個別問題集で会計科目の総復習も進めました。

短答直前期(10~12月)

10月以降の直前期は、会計科目は短答問題集を回転させることを中心に、理論科目は短答問題集ばかり解いていては問題を覚えてしまうので、テキストを繰り返し読むことを大切にしました(特に監査論の短答問題集は1周しかしていません)。

計算の問題集は、本試験同様、さまざまな論点を混ぜて、ある程度まとまった問題数を時間制限の中で解くようにしました。
理論科目は、テキストに載っている制度のまとめや比較した表などをスマートフォンで撮影し、電車での移動時間や、答練・模試、本試験の直前に確認できるようにしました。

短答受験後(令和5年1~3月)

12月短答は8割以上の高得点で通過できましたが、直前期に根を詰めていた反動もあり、1月中は勉強時間が減ってしまいました。

また、初学の租税法は最初はあまり点が伸びず、3月までは例題を繰り返し解くなど(問題によっては10回くらい)、租税法にかなりの時間をとられました。

さらには、論文と短答で出題形式が異なる監査論と企業法については論文対策講義を受けたこともあり、講義消化の負担もかなり重くなりました。

ただ、答練は全科目、必ずオンタイムで、かつ会場で受けるようにしていました。

論文直前期(4~8月)

4月以降は租税法と経営学の計算が伸びてきて、経営学の理論以外では苦手分野がなくなってきました(経営学の理論は、最初のうちは受験経験者が強いので初学者はなかなか偏差値が伸びません)。

5月の模試では総合A判定となり、その後の学習を進めるうえで大きな自信になりました。

会計科目の計算は体系的な復習をする時間がなかなかとれませんでしたが、答練や模試で出題された範囲を中心に、できなかったところ、忘れていたところの復習をしました。

特に第5問対策には力を入れ、色々なパターンの場数を踏むことが大事だと思い、答練以外にも「計算コンプリートトレーニング(通称:コントレ)」の総合問題編を別途購入し、1周して感覚を磨きました。
コントレは最近人気ですが、私はこの1冊しか使っていません(本番では第5問はちょっと失敗してしまったのですが…)。

偏差値が低めだった経営学の理論も、テキストを毎日電車で回転させ、キーワードの穴埋め問題を埋める練習をしたことで、安定して点がとれるようになりました。

7月の模試でも総合A判定で、さらに5月の模試よりも偏差値が大幅に上がったため、このままいけば合格できるかな、という状況になっていきました。
ただ、最後の答練で、得意だった監査論の偏差値が下がってしまいます。

原因は、監査基準の改定前文などの暗記を怠っていたからです。
そのため、直前期は監査論の勉強時間を増やし、暗記論点をとにかく頭に詰め込みました。
財務会計論の理論の論証など理論科目の暗記は概ねそうですが、「タイトルを見て、どのような文章かを思い浮かべ、キーワードを中心にアウトプットできるか」の練習です。
論文期は監査論の暗記が一番つらかったですね。

結果、論文には上位で合格することができました。
しかし、短答と違って自己採点が明確にはできないので、合格発表までは不安も大きかったです。

2つの合格の決め手

働きながら勉強していては、私は合格することが難しかったです。
仕事を休職し、(給料と学費は犠牲にしましたが)会計大学院に進学したことが合格の決め手だと思います。

勉強に専念できる環境と時間を確保したことで、CPA会計学院での学習と会計大学院での学習のシナジー効果を得ることができました。
会計大学院の授業だけでは合格は難しいと思いますが、予備校と違う視点から会計科目などを復習できたのはよかったですね。

また、12月短答に合格できたことも大きな決め手となりました。
論文式試験の合格率が最も高いのは前年の12月合格組だと言われています。
たしかに租税法や経営学にも十分な時間を割き、特に租税法を得点源にすることができるので、12月短答に合格し、「波に乗る」ことがとても重要だと実感しました。

モチベーションを保つ3つの方法

モチベーションを保つためには、①勉強時間を記録すること、②答練を必ずスケジュール通りに消化すること、③答練の結果などをもとに定期的に講師に相談することの3つをおすすめします。

① 勉強時間の記録

私の場合、勉強時間はアプリ「スタディプラス」で記録していました。
記録することで科目間の勉強時間のバランスがチェックできるので、特に論文期には重要です。
ただ、勉強時間は人によるので、他人と比べすぎないことも大切です。
私は1日中自習室にいても10時間以上集中して勉強することができず、頑張っても8~9時間が限界でしたが、その間は集中して効率よく学習していたと思います。

② 答練のスケジュール通りでの消化

答練をこなし、きちんと復習をしていくことで、本試験に向けてステップアップをすることができます。
特に論文期は、答練だけで膨大な量になりますが、スケジュール通りに消化することで確実に力がつきます。

③ 定期的な講師への相談

講師に定期的に相談すれば、成績に対するフィードバックによって課題が明確化されます。
今後の学習方法に対するアドバイスをいただける点もいいですね。
不安の解消にもつながりますので、ぜひ予備校でお気に入りの講師を見つけるようにしてください。
最近は、どの予備校もオンラインで相談することもできると思います。

適度に自分を甘やかすことでメリハリがつく

私はもともと家で勉強ができないタイプなので、家では基本的に家事とリラックスに徹し、そのかわり自習室や電車で徹底的に集中して勉強していました。

また、自分の欲求に対しては、あまり我慢しないようにしていました。
「試験まで禁酒」というようなことはせず、大好きなお酒を帰宅後に飲んだり、昼食も毎日ではないですが、予備校の近くのお気に入りの飲食店で楽しむこともありました。
多少の時間はとられますし、食べたら眠くなりますが、そのときは10分くらい昼寝して、リフレッシュしてから勉強しました。

これは人によると思いますが、変に禁欲するより、適度に自分を甘やかしつつ、メリハリをつけて勉強したほうが、勉強するときの集中度が上がると思います。

さいごに~公認会計士試験に興味のある方へ伝えたいこと~

30代からチャレンジする方へ

まず、私のように30代から公認会計士試験の学習を始める方は、「本当に公認会計士になりたいのか」「公認会計士になって何をしたいのか」をよく考えることをおすすめします。

公認会計士試験は今、基本的に大学生の方が受験して合格する試験です。
予備校の休憩室では、大学生くらいの若い子たちが談笑しているなか、いつも隅っこでご飯を食べていました(笑)。

厳しい言い方をすると、30代で始める時点で、すでに多くの受験生からスタートが遅れています。
また、あなたにあらかじめ用意されているキャリアプランはなく、よくも悪くも、自己責任でキャリアを決めなければならない部分が大きいです。
もちろん、自分でキャリアを決めるという意味では、資格を活かすことで活躍できるフィールドが広がる可能性もあるとは思います。

ただ、ご家族などともよく相談したうえで、公認会計士を目指すかどうか決めることをおすすめします。

これから学習を始めるすべての方へ

さて、これから公認会計士試験の学習を始める方に対しては、①段階を踏んでステップアップすること、②最後の1年半くらいは勉強に集中できる環境を作り、短期決戦で臨むことをおすすめしたいです。

「段階を踏む」というのは、短答式試験に向けた勉強と並行して、日商簿記3級、2級、そして1級にも挑戦してほしいという意味です。
私は、日商簿記1級に合格できたことでモチベーションが上がり、自信につながりました。
また、万が一、公認会計士試験から撤退することになっても、日商簿記1級に合格していれば、会計関連のキャリアへの道も広がるのではないでしょうか。

そして、振り返ると、「公認会計士試験は、長期間勉強するよりは、短期決戦で臨むべき試験だ」と思います。
私は、結果的に合格まで3年少しかかりましたが、本当に勉強に集中したのは会計大学院に入学した令和4年4月から論文式試験を受験した令和5年8月までの1年半弱です。

人間、何年間も勉強に集中するのは難しいですし、犠牲にするものも多くなります。
働きながら効率よく学習して合格されている方もいらっしゃいますが、私は、正直なところ少数派だと思います。

それぞれに色々なご事情があるとは思いますが、もし可能であれば1年半くらいは勉強に専念できる環境を作ってほしいです。
「それでも難しければ諦める」くらいの気持ちで、短期決戦のつもりで臨むことで、合格できる可能性を高められるのではないかと思います。

頑張ってください!

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