ボザイさんに聞く! 税理士試験 簿・財独学から始まった官報合格までの道


【編集部より】
X(旧Twitter)で受験勉強に関する情報を発信しているボザイさん。会計人コースWebではじめてボザイさんのインタビューを掲載したのは2021年1月15日の記事でした。
それから約3年。
2023年度税理士試験で見事、官報合格されたボザイさんに、ラスト科目の受験勉強とこれまでの受験生活を振り返っていただきます!

ボザイさんの受験歴
 2019年6月 日商簿記1級一発合格(独学)
 2019年7月 全経簿記上級一発合格(独学)
 2020年 税理士試験簿記論・財務諸表論一発合格(独学)
 2021年 税理士試験消費税法一発合格(TAC通信講座)
 2022年 税理士試験法人税法一発合格(TAC通信講座)
 2023年 税理士試験相続税法一発合格(TAC通信講座)

合格発表と本試験での手ごたえ

―税理士試験の合格、おめでとうございます! 合格発表当日、官報でお名前を見つけた時はどんな気持ちでしたか

ボザイさん ホッとしたというのが、一番大きかったです。

事前にインターネット版官報でテキスト検索できることまで確認して発表当日を迎えたのですが、朝の準備でバタバタして、8時28分くらいに官報のページを開いて、8時30分になった瞬間から更新したのですが、なかなか出てこず…。

その日の官報がパッと上がった瞬間に、一気に緊張しました。
そして、「よし、検索しよう」と思ったら、偶然、自分の名前が目に飛び込んできて、一瞬で喜びに変わりました。

が…、次の瞬間、「早くしないと遅刻する!」という現実に引き戻されてしまい…、慌ただしくて喜んでいる時間が短かったのもあるかもしれませんが、これまでの科目合格に比べて喜び度は低く、安心感のほうが強かったような気がします。

―本試験での手応えはどうでしたか。

ボザイさん 自己採点ではボーダーから20点超えていて、合格確実ラインも5点超えていたので、手応えはありました。

さらに言うと、本試験後の試験会場で、Xでつながりのあった全国模試2位のすごく優秀な人と会って、答え合わせをしたら結構一致していたんです。
まさに”歩く解答速報”のような感じで、「全国2位の人と解答が一緒ならもうこれは安心だな」と思いました。

ただ、もしかしたら多少書き間違えたり、誤字・脱字をしていたり、ミスがある不安はどこまでも残るんだなという感覚もありました。

―受験生活においてSNSはどのように活用されていましたか。

ボザイさん 簿・財に独学で一発合格した時は自分が嬉しいという気持ちが大きかったのですが、税法科目になると周りの期待がどんどん高まっていくのも感じていました。

SNSでも「絶対合格する」、「勉強を始める」ということを言い続けていましたが、それを自分自身に言い聞かせていた部分もあります。その反動で、「もし実行できなかったら…」という心配もあったので、合格して安心感が大きくなりました。

勉強仲間とのつながりにおいてもSNSの存在は大きく、自分を鼓舞させるという意味でもすごく良かったです。

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ラスト科目の相続税法と他の科目との違い

―ラスト科目は相続税法でしたが、他の税法と違ったところは何かありますか。

ボザイさん 大きな変化はありませんが、自分の受験テクニックがどんどん上がってきて、自分に合う形にアジャストしてこれたので、相続税法はうまくやれていたと思います。

相続税法は論点が横に繋がるので、これまでと同じように体系図で整理していました。よく言われるように、理論の暗記は相続税法が一番覚えづらかったです。

ボザイさん作成のノート①
ボザイさん作成のノート②

―合格された消費税法、法人税法と比べるとどれぐらいの差がありましたか。

ボザイさん あくまで主観ですが、消費税法がレベル10だとしたら、相続税法がレベル17で、法人税法がレベル20という感じです。

中でも、4科目目の法人税法のときが一番辛くて、「これを超えてもまだ1科目ある」という精神的な負担と、法人税法の分量が多くて全部の理論を覚えきれず、「これが出たらどうしよう」という不安はずっとありました。

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合格の決め手

―これまでの受験勉強を振り返って、合格の一番の決め手を一つだけ選ぶとすると何ですか?

ボザイさん 一番を選ぶとすると、間違いなく「規則正しい生活」です。

僕の場合は朝型で、夜10時に寝て朝4時に起きるスタイルが基本でした。

寝る時間や起きる時間をバラバラにすると勉強の予定が立てづらいので、例えば朝8時に家を出なければいけないという平日のスケジュールの場合、5時に起きた時と4時に起きた時ではできる勉強が違います。

その調整をするのが面倒なので、必ず朝4時に起きて7時までの3時間は勉強するということをルーティンにすると、3時間の枠で計画を立てられます。

規則正しい生活を送るためには飲み会にも行かなくなるし、家にテレビもないので、まるで呼吸をするかのように安定して取り組めるよう、勉強を習慣化していました。

仕事をしている以上、残業で遅くなる時ももちろんありますし、それは仕方がありません。もし、夜9時半頃に帰ってきたとしても、なるべく早く10時近くには寝るようにして、たとえ夜11時過ぎになった場合でも、なるべく早く寝て、睡眠時間6時間は必ずキープして朝6時には起きて、1時間は勉強していました。

―他に合格の決め手を挙げるなら何でしょうか?

ボザイさん 3つあって、1つ目は「誰よりも早く着手する」ということです。
8月の本試験が終わったら早速、その受験年度のものでいいので次の税法科目の理論マスターを買って見始めていました。

2つ目が、「逆算思考での学習計画」です。
規則正しい生活にもつながりますが、規則正しい生活をすると、勉強時間が安定するので、学習計画が立てやすいです。

自分は平日に何時間、休日に何時間でき、本試験まで何日あるから合計何時間勉強できる。そして、たとえば計算総合問題を解くには1題100分かかって、カリキュラムには仮に80題あって、それを3回転するなら240題で、240題×100分…という計算をして、自分がどれぐらい勉強をこなせるかを計画します。
それを毎月、毎月見直して、計画通りに進んでいるのか、進んでいないのかを検証していくことはすごく大事でした。

3つ目は、「テキストの通読」です。
たとえば9月開講のカリキュラムでも、翌年8月の本試験までずっとテキストを読んで論点を確認していました。
法人税法の場合、テキストが10冊あったのですが、全体を通すと重複している部分もあるので、重複していないところをiPadで検索できるようにしてそのページを中心に読み込んでいました。

働きながらだと計算問題を解く時間がないので、テキストの設例で確認しながら計算方法を覚えて、思い出してを繰り返すのが重要かなと思います。

授業で使うレジュメも全部テキストにスクリーンショットで写して、テキストを回せば全部振り返れるという状態を作っていました。
iPadを使った勉強法については、多少科目によって特徴がありましたが、こう使ったらいいというのがわかっていたので、基本的には他の科目と方法は同じでした。

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ラスト科目の本試験後に取り組んだ勉強

―本試験後も勉強を継続されていたようですが、どういったモチベーションで取り組んでいたのですか。

ボザイさん 実務のために、所得税や社会保険の勉強をしようと思って、テキストを購入しました。

実務では所得税や社会保険に関する質問も多いですし、それに関する作業も多いので、その分野は弱いから勉強しなきゃなというモチベーションでいたのですが、本試験後からは、仕事のことを考える時間も増えて実際はあまり進められていません。

と言っても、これまで月160〜180時間程度の受験勉強を続けてきて、それを残業時間に単純に置き換えてもまだ余っているはずなんですよね。

受験が終わったら、他科目や足りない部分を勉強するぞという気持ちになると思いますが、今まで多くのことを我慢してきた反動か、さまざまな欲がわいてきて、なかなかうまく勉強が進まず、頑張りきれてないな~と感じています。

―最後に、官報合格をした今、受験生にメッセージをお願いします。

ボザイ 僕はもともとテレビが大好きだったのですが、30歳を過ぎて受験勉強のためにテレビを見るのをやめました。

おかげで人気の歌手も知りませんし、そういうトレンドや社会常識がわからないです。

何かを得ようとすると何かを失うといわれますが、ここから取り戻したいと思います。

受験勉強が終わった時の開放感というのは、想像を超えるものです。受験勉強中はさまざまな欲との戦いが続きますが、そこを律して頑張ってください!

―ありがとうございました。今後のご活躍も応援しています!


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