🍀春休みに本を読もう!種田有紀先生(LEC講師)がオススメする課題図書📚


【編集部より】
もうすぐ新年度。この春から「会計の勉強を始めよう」と考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本企画では、学者・実務家など6人の読書愛好家から、会計人コースWeb読者の皆さんにオススメする「春休みの課題図書」をご紹介いただきました(1日お一人の記事を各週で掲載します・順不同)。
受験勉強はもちろん、仕事や人生において新しい気づきを与えてくれる書籍がたくさんラインナップされています。ぜひこの機会にお手にとってみてください!
今回の記事では、LEC東京リーガルマインド講師の種田有紀先生(@boki_taneda)に課題図書をお薦めいただきました!

オススメ① 『簿記がわかってしまう魔法の書』(小沢 浩 著、日本実業出版社)

この本は、ストーリー性のある絵本の中で、簿記の基本的な考え方についてわかりやすく説明しています。

「そもそも簿記とは何なのか」という、非常に初歩的なところから始まるため、今まで簿記に全く触れたことのない方や独学で簿記を学習していたけれども挫折してしまった方などを対象に読んでいただきたい1冊です。

この本の物語は、ルカ・パチョーリという主人公の男の子が、魔女から魔法の豆を3つもらうところから始まります。そして、ルカが豆を収穫して増やすために、魔女にアドバイスをもらいながら、この豆を育てていくというお話です。

前半では、この物語を通じて、資産・負債・資本(純資産)・収益・費用(以下、「簿記の5要素」といいます)の関係をわかりやすく説明しています。
この考え方は、簿記を学習するうえで非常に重要な考え方になります。

「お金が何に使われているのか? それが資産なのか、費用なのか?」「収益と費用の差である利益は、財産の増加原因になるが、それがどのように資本(純資産)とつながっているのか」などを理解するためには、簿記の5要素の関係を理解している必要があるためです。

後半は、記帳方法や財務諸表の見方(簡単な財務諸表分析)も載っていますが、やはり前半の内容が頭に入っていることが前提になります。

物語を楽しみながら簿記の5要素について理解しながら読み進めていくことをお勧めします。

オススメ② 『日商簿記3級 光速マスターNEOテキスト』(東京リーガルマインド 著、LEC出版)

はじめて簿記3級を学ぶという人におすすめのテキストです。このテキストは、例題の解説で、仕訳を組み立てるためのプロセスが順を追ってシンプルですが非常にわかりやすく説明されていることが一番の特徴です。

そのため、独学者でも、例題を使って自力で論点ごとの仕訳をマスターすることができます。現行の日商簿記検定3級に合格するためには、仕訳のマスターが非常に重要なので、合格という目的に適したテキストであると感じます。

この本は、私が専任講師をしているLEC東京リーガルマインドの日商簿記検定講座で使用している教材でもあります。実は、私がはじめて簿記の勉強を始めたとき、当時はもちろんLECの講師になるとは思っていませんでしたが、この「光速マスターシリーズ(正しくはリニューアルされる前のシリーズですが、内容は踏襲されています)」のテキストと問題集を使用して2級・3級のダブル受験をして一発合格しました。

実際に、自分が使用してわかりやすく、学習を進めやすかったため、「簿記3級を勉強したい」という後輩にもお勧めしていました。

もちろん、より自分に合う教材で簿記の学習を進めていただきたいと思いますが、よろしかったら、ぜひ書店でご覧いただけたら幸いです。

オススメ③ 『会計士・税理士のための伝わるプレゼン術』(眞山 徳人 著、中央経済社)

この本は、「人に伝える技術」について実践可能な方法と手順が具体的に書かれています。
タイトルに「会計士・税理士のための」とありますが、会計士・税理士以外の方々にとっても非常に役立つ本です。

本書「第I部 資料作り編」では、資料作りの要点と手順について「鉄則を守るための3つのポイント」としてわかりやすく説明しています。このポイントに沿って資料を作成することで、見やすい資料を作成することができます。

読みづらい企業会計原則の一文を例に挙げて、要点の分解の仕方とまとめ方が載っています。日商簿記検定1級の理論を学習している方は、企業会計原則を読み解くときに、要点を整理するためのヒントとして活用することができるでしょう。

また、「第Ⅱ部 伝え方編」では、すぐに実践可能な伝え方の具体的方法が記載されています。
いずれのスキルであっても、実際に身につけようと練習をするときには、本書で解説されている習得するための4つのステップのどこにいるのかを自身で確認しながら練習をすれば、スキルアップに役立つことと思います。

会計を学び実務に生かしている人にとっても、それ以外の人にとっても、「人に伝える」というスキルはさまざまな場面で必要ですので、「話すスキル」を身につけたいと思う方にお勧めです。

<執筆者紹介>
種田 有紀(たねだ ゆき)

大学在学中に日商簿記検定1級合格。在学中は大手資格予備校での教室運運営などに従事。卒業後は、会計事務所勤務中にセミナー講師や内部統制の相談、クライアントの経理指導等を経験。その後、商工会議所の教室で日商簿記検定講座や日商PC検定を含むパソコン講座で受講生の学習指導・サポートを経験。現在は株式会社東京リーガルマインドの専任講師として日商簿記検定講座を担当。
Twitter:
種田有紀(@boki_taneda)
#たねだぼき(@tanedaboki_now)

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