うば としこ(税理士)
経理の仕事をするには、業務の知識はやっぱり必要。
でも、知識はあってもそれだけで成果が上がるわけではありません。
仕事を円滑に進め、成果をあげるためには、業務知識のみならず、ぜひ知っておきたい仕事のコツがあるのです! 本連載では、今週5回にわたり、うばとしこ先生(税理士・人気YouTuber)に経理パーソンがすぐに実践できる仕事術について解説していただきます。
簿記論に合格して、今財表を勉強しているんですけど・・・。
頑張っているわね!
でも、大学の同級生から「経理の仕事や会計士・税理士なんてAIに置き換わるよ」っていわれて、腹が立って。
何を根拠に発言しているのかしらね?
先生はどう思いますか?
そんなこと言って、一生懸命に勉強しているあなたにマウントとりたいだけよね。
イラスト担当:ハシケン(コンテアニメ工房/株式会社Create Archives)
うば先生のアドバイス
経理の仕事は会計ソフトでますます便利に!
会計ソフトをだれでも気軽に操作する時代になりました。
「簿記の知識がなくても決算まで自分で」という会計ソフトメーカーの宣伝文句も珍しくありません。
以前に比べれば会計ソフトのインターフェイスはわかりやすく組み立てられ、簿記を知らなくても動かすことができるように進化しています。
安価な利用料を負担し、Web上でクラウド会計を使いこなすことができれば、経理担当者の仕事を減らすことはできるし、人件費も削減できるという利点があることは確かな事実です。
では、世間の噂通り、経理の仕事は大部分がAIに奪われてしまうのでしょうか?
社長が経営判断をする上で必要な情報を、さまざまな角度から提供できればAIには絶対に負けない!
ここでも思い出してください、経理担当者の本来の存在意義を。
AIに仕事を奪われてしまうのは「作業」というスキルしか身についていない、本来の目的を追い求めていない経理担当者のみだと言えるでしょう。
ここで生きてくるのが第1回目にお話した守破離の「守」で得た知識です。
長年の取引の傾向や特殊性、外的要因との関連性を知っているからこその判断力。
なぜそのような経理処理が正解なのかという「理由」がわかっているのは、経理という仕事に本気で向き合っている、あなたしかいません。
経理に向き合い「なぜ?」「だから?」という問いを繰り返してきたからこそのスキルです。
社長が経営判断をする上で必要な情報を、さまざまな角度から提供できる唯一無二の存在になることができれば、ロボットにならずAIと比較されることもないと思います。
<著者紹介>
伯母 敏子(うば としこ)
税理士。大学卒業後、大手リース会社の営業職、税理士事務所への転職、結婚、出産を経て、2016年4月に税理士登録、2017年11月に独立開業。主に法人税務顧問のほか個人事業主を対象とした経理サポートのオンラインサロン「ゆるふわ経理部」を主宰。YouTube「ゆるふわチャンネル」を機に全国各地でセミナー講師を担当。各種媒体への執筆も積極的に行う。
◎以下、ぜひご覧ください!
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●バックナンバー
第1回 はじめて経理の仕事をする際の心得
第2回 税理士試験の勉強や実務の知識は小学生に教えるつもりでインプット!
第3回“ミスゼロ付箋ノート”の作り方
第4回 YouTuber流100倍伝わる話し方