【簿・財】間違えてはいけない重要論点 最終チェック20問 ⑦投資有価証券の処理


平井 孝道
(株式会社M-Cass 代表取締役)

 税理士試験(簿記論・財務諸表論)まで毎日(土日祝日を除く)出題!
 
 専門学校や大学で、簿記検定講座(3級~1級)や税理士講座(簿記論)、公認会計士講座(財務会計論・管理会計論)など15年を超える指導経験をもつ平井孝道先生に、実際の本試験の問題を改題のうえ、頻出の典型論点を20題作成していただきました。

問 題

 次の仕訳を示しなさい。

 当社が保有する投資有価証券は下記のとおりである。

 (銘柄)X社株式 (数量)1,000株 (取得原価)1,000,000円 (備考)その他有価証券

 (銘柄)Y社株式 (数量)2,500株 (取得原価)4,500,000円 (備考)その他有価証券

 時価が取得原価の50%以上下落している場合は、回復可能性はないものとし減損処理を行う。X社株式及びY社株式の決算日における時価はそれぞれ、1株1,200円と720円であった。法定実行税率30%として、税効果会計を適用すること。

解答

(借)投資有価証券 200,000
 (貸)その他有価証券評価差額金 140,000
    繰延税金負債 60,000

・X社株式:(@1,200円-@1,000円)×1,000株×(1-0.3) =140,000円(評価差額金)

(借)投資有価証券評価損 2,700,000
   繰延税金負債 810,000
 (貸)投資有価証券 2,700,000
    法人税等調整額 810,000

・Y社株式:4,500,000円÷2,500株=@1,800円>@720円 ∴ 減損処理を行う

・(@1,800円-@720円)×2,500株=評価損2,700,000円

・繰延税金資産:2,700,000円×0.3=810,000円

【執筆者紹介】
平井 孝道(ひらい・たかみち)
株式会社M-Cass  代表取締役
日商簿記検定1級合格、税理士試験2科目合格、公認会計士試験合格。専門学校や大学で、簿記検定講座(3級~1級)や税理士講座(簿記論)、公認会計士講座(財務会計論・管理会計論)などの15年を超える指導キャリアをもつ。

※ 本記事は、会計人コース2020年8月号収録「簿・財 間違えてはいけない重要論点 最終チェック20問」を編集部で再構成したものです。


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