加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
連結修正仕訳を示しなさい。
P社はS社株式の60%を保有している。S社の当期純利益は1,000円であり、当期末の純資産額は△10,000円である。
(借)非支配株主に帰属する当期純損益 400
(貸)非支配株主持分 400
解答
×
S社の当期純利益は純資産額がプラスになるまで、非支配株主持分へは負担させずに、全額親会社の持分とする。よって、連結修正仕訳は不要である。
根 拠
企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
非支配株主持分 27. 子会社の欠損のうち、当該子会社に係る非支配株主持分に割り当てられる額が当該非支配株主の負担すべき額を超える場合には、当該超過額は、親会社の持分に負担させる。この場合において、その後当該子会社に利益が計上されたときは、親会社が負担した欠損が回収されるまで、その利益の金額を親会社の持分に加算する。 |
ワンポイントアドバイス
子会社の純資産額がマイナスの場合は、非支配株主持分には負担させずに親会社の負担とするために、非支配株主持分が借方残高になることはありません。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。