【『財務会計講義』のすゝめ】第2回:どう読んだらいいのか?


ステップ② 「索引」を使って精読しよう

『財務会計講義』の全体の内容、流れがおおよそわかったら、ステップ②ではじっくり精読します。1時間で10ページくらいのイメージでしょうか。初学者の方は、はじめからすべて読んでもいいですし、すでに財務会計論を学習されている方であれば、苦手なところから読むのもよいと思います。

ここでぜひ取り入れてほしいのは、「言葉を丁寧に読み解くこと」と、「論点の階層構造とつながりを意識すること」です。そのためには、巻末にある「索引」を使うことをおすすめします。

たとえば、『財務会計講義』(第22版)の索引で最も多いページ数が示されている「割引現在価値」について考えてみましょう。 

本書で「資産除去債務」について勉強していると、「割引現在価値」というものが出てきます。これは、資産除去債務を計算するうえでとても重要な要素ですから、予備校のテキストなどで勉強しているときにも、その意味や計算方法を押さえようとすると思います。

しかし『財務会計講義』では、索引を使うことで、もう一段ステップアップした学習ができます。

索引から「割引現在価値」を調べれば、この言葉と考え方は、「貸倒懸念債権の貸倒引当金の算定」「減損損失算定時における使用価値の算定」「リース資産の取得原価の算定」「退職給付引当金の算定」と、さまざまな論点において出てくることがわかります。また、「割引現在価値」そのものの説明も第4章でされています。

予備校であれば、それぞれのカテゴリーに分けて解説がされると思うので、学習時期がずれてしまい、各論点のつながりは見えにくいのではないでしょうか?

自分で各論点のつながりを即座に発見できればよいのですが、それが難しい、できないという人もいるかもしれません。『財務会計講義』を活用すれば、各論点のつながりは、比較的容易に捉えることができるはずです。

「割引現在価値」の考え方や計算構造は、それぞれの論点で共通するものですから、各論点が実は隣り合っていて、幹が同じであることに気がつけば、暗記の量を削減しながら理解を深めることができます。

このようなものは他にもたくさんあります。ぜひ探してみてください。


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