加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
商品100ドルを輸出し、先に受け取った手付金60ドル(受取時の為替相場1ドル=100円)を充当し、残額は掛とした。輸出時の為替相場は1ドル=110円である。
(借)前受金 6,600
売掛金 4,400
(貸)売上 11,000
解答
×
前受金を充当した60ドルは、手付金受取時の為替相場で換算した金額で、売上を換算する。
(借)前受金 6,000
売掛金 4,400
(貸)売上 10,400
根 拠
会計制度委員会報告第4号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
前渡金及び前受金に係る外貨建取引高の換算(一 1) 26.外貨建取引高のうち、前渡金又は前受金が充当される部分については、前渡金又は前受金の金銭授受時の為替相場による円換算額を付し、残りの部分については、取引発生時の為替相場により換算する。ただし、営業利益及び経常利益に重要な影響を及ぼさないと認められるときは、当該取引高の全額を取引発生時の為替相場により換算し、この金額を取引高に計上するとともに、前渡金又は前受金の金銭授受時の為替相場と取引発生時の為替相場との相違から生ずる換算差額は為替差損益として処理することができる。 |
ワンポイントアドバイス
前渡金と前受金を充当するときには、外貨建の仕入と売上の換算について注意しましょう。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。