みなさん、こんにちは! 編集部です。
2020年12月18日、税理士試験合格発表がありました。受験生の方のなかには、大学院を修了し科目免除を受けて税理士になるという、いわゆる「大学院ルート」に舵を切った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、1月~2月は、多くの大学院で冬入試が行われます。そんな大学院入試で最初の関門となるのが「研究計画書」。
そこで今回は、会計人コースBOOKS『大学院ルートで税理士になる!』から、研究計画書に取り入れるべきポイントをご紹介したいと思います。
すでに研究計画書を作成されている方も、どう書けばいいのか迷われている方も、提出する前に、いま一度ポイントをチェックしてみましょう!
6つのチェックポイント
『大学院ルートで税理士になる!』で、研究計画書の書き方を解説していただいている依田俊伸先生(東洋大学大学院経営学研究科教授)は、研究計画書の要素として次の6つを挙げています。
① 研究動機 ② 問題提起 ③ 問題点の検討の方針、プロセス ④ 結論に向けた方向性、暫定的な結論 ⑤ 具体的な研究スケジュール ⑥ 参考文献 |
それぞれの要素について、詳しくみていきましょう。
① 研究動機
まずは1つめ、「研究動機」。
依田先生は、社会人の方であれば、日常の実務のなかで感じた疑問に基づいて研究テーマが選定されているとよいとおっしゃっています。実務に根ざしたものでなくても、「このような研究動機があってこのような研究テーマにした」ということを明確に示す必要があるようです。
そうすると、自主的に問題点を見出したということがアピールでき、論述に説得力が生まれるのだとか。
また、自分ならではの動機があって研究をするほうが、より有意義な大学院生活になりそうですよね。
② 問題提起
依田先生によると、研究計画書のなかで最も重要な箇所が、この2つめの「問題提起」です。
この「問題提起」は、①の「研究動機」とつながっています。
いきなり問題点を指摘するのではなく、「どのような理由でその問題点を見出したのか」という研究動機や問題意識を示したうえで、問題を提起する必要があるとのこと。
それによって、受験生の考え方や理解度がわかり、どんな修士論文を書こうとしているのかはっきりするそうです。
試験官の先生方にとって、重要なチェックポイントといえそうですね。
③ 問題点の検討の方針、プロセス
②の問題を提起したら、その問題をどのような立場から、どのような方針により、どのような手順で検討するか、ということも示さなければなりません。
試験官の先生方は、これを見て、修士論文の全体構造がどうなるか把握します。
また、依田先生は、スペースが許すようであれば、特に重要な検討内容について、簡単でもいいので説明すると説得力が増す、ともおっしゃっています。
④ 結論に向けた方向性、暫定的な結論
研究計画書では、③を踏まえて、現時点における暫定的な結論を示す必要もあるようです。
「えっ!? まだ入学もしていないのに!?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、確定的な結論は、大学院で研究を積み重ねることによって生み出されるものなので、研究計画書の段階では、あくまで “暫定的な” 結論でも問題ないとのこと。
もし、暫定的な結論もあやふや……という場合は、ズバリ結論とまではいかなくても、結論に向けた方向性だけでも、ある程度は示すことができているとよいそうです。
⑤ 具体的な研究スケジュール
これは、文字どおり、研究のスケジュールです。時系列的に簡単に述べるのがポイントです。
⑥ 参考文献
研究計画書を作成する際に調べた文献があれば、その参考文献を明示する必要があります。
ここでは、研究テーマとする対象領域で必ず参照されるような先行研究は、もれなく記しておくとよいとのこと。
これは、研究計画書が客観的な情報に基づいて書かれていることを示すためでもありますが、試験官の先生方は、受験生がどのような文献を参照しているかによって、受験生の実力を測ることもあるそうです。
研究計画書から入試は始まっています。いま一度、自分の研究テーマに関連する重要な文献等は見ておきたいですね。
以上、会計人コースBOOKS『大学院ルートで税理士になる!』から、研究計画書のポイントをご紹介しました。
研究計画書に必要な6つの要素を見てみると、
「試験官にどんな修士論文を書くのかイメージさせることができるか」
がポイントになっているように思います。
未来の自分を想像しながら、研究計画書を作成、確認してみましょう。
1人でも多くの方が、希望する大学院、指導教授のもとで研究ができることを願っています。頑張ってください!
『大学院ルートで税理士になる!』では、上記6つの要素を踏まえた研究計画書の実例も掲載しています!
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