加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【〇×問題】
他目的に転用できる研究開発用の機械装置(取得原価300,000円、耐用年数12年、残存価額ゼロ、定額法)を取得し、当座預金より支払った。
(借) 研究開発費 300,000
(貸) 当座預金 300,000
【正解】 ×
ある特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置等に係る原価は取得時に研究開発費となるが、他の目的に使用できる場合は資産計上し、減価償却を研究開発費として処理する。
【根拠となる実務指針】
日本公認会計士協会「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A」
(2) 特定の研究開発目的の機械装置等の会計処理
Q6:
特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置や特許権等を取得した場合の原価は、取得時に研究開発費として処理することになりますが、ある特定の研究開発目的に使用した後に、他の研究開発目的に使用することができるものについても取得時に研究開発費として処理しなければいけないのですか。
A:
ある特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できない機械装置等に係る原価は取得時に研究開発費となりますが、ある特定の研究開発目的に使用された後に他の目的に使用できる場合には、機械装置等として資産に計上し、当該資産の減価償却費を研究開発費として処理することとなります。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。