【「『財務会計講義』を読もう!」】プロローグ:なぜ理論が苦手なのか?


編集部

なぜ、財務諸表論(財務会計論)の理論が苦手なのか?

財務諸表論(財務会計論)の理論、勉強は進んでいるでしょうか?

12月18日の税理士試験の合格発表を受けてフレッシュなスタートをきった税理士受験生、また、すでに来年5月の短答式、8月の論文式に向けて学習を進めている会計士受験生のなかには、「計算は得意だけど理論は苦手・・・」という方も多いと思います。

なぜ、理論となると苦手意識が強くなるのでしょうか?

大きな原因の1つは、各会計基準の内容を「覚えよう、暗記しよう」としていることではないかと思います。

税理士試験の穴埋め問題や会計士短答式の細かい知識問題に対応するため、各会計基準を「覚えよう、暗記しよう」とするものの、膨大な分量に圧倒されてしまう……という受験生が多くみられます。

この勉強スタンスをずるずると継続しても、理解が進まず、得点アップは難しいかもしれません。

では、どのように勉強していけばよいのでしょうか?

「総合的かつ横断的」な理解がキーポイント!

税理士試験の財務諸表論、会計士試験の財務会計論の理論では、1つの会計基準のみについて問われるのではなく、たとえば、第68回税理士試験(2018年)の財務諸表論の第2問のように、特定のキーワードをもとに、複数の会計基準にわたる出題がされます。

この問題に関する「出題のポイント」を見てみましょう。

本問は、資産の本質とともに、資産・負債の測定(測定尺度)に関わる割引価値、割引率などに関係する「金融商品に関する会計基準」、「退職給付に関する会計基準」、「資産除去債務に関する会計基準」および「固定資産の減損に係る会計基準」での考え方について、総合的かつ横断的な理解を問うものである。・・・

つまり、試験委員の先生は、個々の基準や論点に関する断片的な知識ではなく、「総合的かつ横断的」な理解を求めていることがわかりますね。

ということは、答案に「総合的かつ横断的」に理解していることを表現できれば、他の受験生より大きく得点がアップするはずです!

それならば、財務諸表論(財務会計論)を「総合的かつ横断的」に理解するにはどうすればよいでしょうか?

基本書で「幹」を押さえる!

財務諸表論(財務会計論)を「総合的かつ横断的」に理解する1つの方法として、基本書の「索引」を活用し、キーワードをもとに基本書のさまざまな箇所で解説されている内容を横断的に押さえることが効果的です。

こうすることで、今まで別々の論点として学んでいた内容が、実は隣り合っていて「幹」は同じであることに気づくでしょう。

また、このように学習していくことで、財務諸表論(財務会計論)を体系的に理解でき、覚えなければいけない暗記量もグッと減らせるのです。

新連載「『財務会計講義』を読もう!」のコンセプトとスケジュール

新連載「『財務会計講義』を読もう!」では、会計人コースでおなじみの長島正浩先生(茨城キリスト教大学経営学部准教授)に、

① 受験生の皆さんが理論への理解を深め、また得意になり、さらに得点源になることを目指して

② 代表的な基本書である『財務会計講義』(桜井久勝著)をベースに

③ 索引を手がかりに、「総合的かつ横断的」な理解に不可欠な論点をピックアップし、そのポイントを解説していただきます。

連載スケジュール(毎月1回・最終週の水曜日にアップ予定)

第1回(2020年12月)
「時価(洗い替え方式・切放し方式)」

第2回(2021年1月)
「自己株式」

第3回(2021年2月)
「引当金」

第4回(2021年3月)
…「偶発債務」

第5回(2021年4月)
…「減損処理」

第6回(2021年5月)
…「償却原価法」

第7回(2021年6月)
…「割引現在価値」

ぜひご活用ください♪


関連記事

ページ上部へ戻る