【日商２級から税理士へ　ステップアップ会計教室】第12回：特殊商品売買④

この連載講座では、「日商簿記では学ばないけれど、税理士試験の簿記論・財務諸表論では必要になる論点」を学習します。
簿記論・財務諸表論の学習は広範囲にわたるため、日商簿記では深く学んでいない論点も対策しなければなりません。
税理士を目指して簿記論・財務諸表論の学習を始めた方、「いずれは税理士に」と考えている方は、この連載講座を使って効率的に学習を進めていきましょう。

千葉商科大学基盤教育機構専任講師　渡邉　圭

―特殊商品売買編―

１　学習済項目と未学習項目の整理

２　本試験の出題傾向と本講義の流れ

定期的に出題されています。
特殊商品売買は、日商簿記検定の出題範囲から削除されましたが、税理士試験では最近出題実績があります。
未学習項目しかありませんので、まず簡単な説明を行い、取引ごとに設例で仕訳を確認後、練習問題を演習するという形で進めさせていただきます。

第4回　試用販売

取引の流れは第1回をご覧ください。

（１）設例

次の取引について、対照勘定法により仕訳を答えなさい。
商品売買取引は三分法により記帳を行うこと。
期首商品棚卸高はなかった。

①　当社は商品60,000円を仕入れ、代金は掛けとした。
②　当社は顧客へ上記①の商品60,000円（売価93,750円）すべてを試用販売のため試送した。
③　上記②で商品を試送した顧客から41,600円（売価65,000円）について買取意思表示を受けた。
④　上記②で商品を試送した顧客から6,400円（売価10,000円）について返品を受けた。
⑤　決算：期末商品棚卸高　手許商品　6,400円　試用品12,000円
　　　　　減耗と評価損はなかった。

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