【日商2級から税理士へ ステップアップ会計教室】第10回:特殊商品売買②


<解 答>

●期末一括法(単位:円)

 借方科目金 額貸方科目金 額
未着商品 320,000買掛金  320,000
仕入  *1 206,000 未着商品200,000
現金6,000
売掛金 162,500未着品売上162,500
現金 200,000一般売上200,000
⑤手許商品仕入 40,000繰越商品40,000
繰越商品80,000仕入80,000
⑤未着商品仕入*2 104,000未着商品104,000

*1 貸借差額
*2 上記③で販売した商品の原価です。実際に問題を解く時には、この原価額がわからない場合があります。その時は、未着商品勘定の借方合計額344,000円から上記②200(現品),000(到着分)円と未着商品の期末商品棚卸高40,000円を差引けば、104,000円と計算できます。
344(未着商品),000(期首分+)(当期分)-(200(現品),000(到着分)円+40(期末),000(商品分)円)=104(転売:売),000(上原価)

ここで、損益計算書にこれらの情報を表示するためには、さらに、手許商品と未着商品の金額を合わせて期首商品棚卸高、当期商品仕入高、期末商品棚卸高に整理して解答します。
この場合、未着商品勘定と仕入勘定の金額を見ながら解答する必要があります。

期首商品棚卸高:未着商品勘定24(前期),000(繰越)円+繰越商品勘定40(仕入),000(勘定の借方)円=64,000円
当期商品仕入高:320(船荷証券),000(入手分)円+6(引取),000(運賃)円=326,000円
期末商品棚卸高:未着商品勘定40(次期),000(繰越)円+繰越商品勘定80(仕入),000(勘定の貸方)円=120,000円
売 上 原 価:64(期首商品),000(棚卸高)円+326(当期商品),000(仕入高)円-120(期末商品),000(棚卸高)円=270,000円

また、別解として次のような仕訳も考えられます。

 借方科目金 額貸方科目金 額
⑤未着商品仕入 144,000未着商品144,000
未着商品40,000仕入40,000

144,000円は決算整理前残高試算表における未着商品の残高です。
24(期首商),000(品棚卸高)円+320(当期船荷),000(証券入手分)円)-200(現品),000(到着分)円=144(前T/B),000(未着商品)

この決算整理仕訳を行った場合は、未着商品勘定と仕入勘定の元帳は次のようになります。

この方法で仕訳を行うと、いったん未着商品勘定残高の全額が仕入勘定に振り替えられ、そこから期末商品棚卸高(未着商品)40,000円を未着商品勘定の借方に記帳して増加させます。
そうすることで、未着商品勘定に次期繰越40,000円を示すことができます。
また、仕入勘定の借方合計額390,000円から期首商品棚卸高64,000円(40(手許),000(商品)円+24(未着),000(商品)円)を差引けば、当期商品仕入高326,000円を計算することができます。
また、仕入勘定の貸方側を見れば、期末商品棚卸高120,000円(80(手許),000(商品)円+40(未着),000(商品)円)と売上原価総額270,000円(166(一般),000(販売)円+104(未着商),000(品販売)円)を読み取ることができます。
ここで、仕入勘定(ボックス)をメモ用紙にまとめて計算する方法の1つをご紹介します。


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