【日商2級から税理士へ ステップアップ会計教室】第10回:特殊商品売買②


この連載講座では、「日商簿記では学ばないけれど、税理士試験の簿記論・財務諸表論では必要になる論点」を学習します。
簿記論・財務諸表論の学習は広範囲にわたるため、日商簿記では深く学んでいない論点も対策しなければなりません。
税理士を目指して簿記論・財務諸表論の学習を始めた方、「いずれは税理士に」と考えている方は、この連載講座を使って効率的に学習を進めていきましょう。

千葉商科大学基盤教育機構専任講師 渡邉 圭

―特殊商品売買編―

1 学習済項目と未学習項目の整理

未学習項目未着商品、委託販売・受託販売、試用販売、 割賦販売、
委託買付・受託買付

2 本試験の出題傾向と本講義の流れ

定期的に出題されています。
特殊商品売買は、日商簿記検定の出題範囲から削除されましたが、税理士試験では最近出題実績があります。
未学習項目しかありませんので、まず簡単な説明を行い、取引ごとに設例で仕訳を確認後、練習問題を演習するという形で進めさせていただきます。


第2回 未着商品売買

取引の流れは第1回をご確認ください。


(1)設例

 次の取引について期末一括法とその都度法により仕訳しなさい。
なお、期首商品棚卸高は手許商品40,000円と未着商品24,000円である。
商品売買の記帳方法は三分法によること。
また、仕訳不要の場合は解答欄の借方科目欄に「仕訳不要」と記入すること。

① 仕入先から運送中の商品320,000円の貨物代表証券を受け取り、代金は掛けとした。
② 上記①の商品のうち200,000円が到着し、引取運賃6,000円を現金で支払った。
③ 原価104,000円の貨物代表証券を162,500円で得意先へ転売し、代金は掛けとした。
④ 上記②の商品のうち原価166,000円を200,000円で販売し、代金は現金で受け取った。
⑤ 決算:期末商品棚卸高は手許商品80,000円、未着商品40,000円である。


次ページ→解答(期末一括法)


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