第4問対策
近年の検定試験は、出題範囲区分の改革により、商業簿記が難しいため、工業簿記で9割~満点を目標にする戦略が重要です。工業簿記はパターンが決まっており、対策も立てやすいため、直前の確認においても重視するようにしてください。
(1) 仕訳問題(個別原価計算)
(2) 製造原価報告書・損益計算書の作成
第1のポイント
工業簿記は「簿記」というネーミングのとおり、製造原価の計算と記録について複式簿記を使います。このため仕訳が重要であり、仕訳問題が直近では頻出しています。工業簿記の仕訳については、再度、確認するようにしてください。
第2のポイント
材料の購入、消費、賃金の消費、製造間接費の配賦、製造間接費の差異分析、製品の完成(製品原価の計算)などの仕訳について確認しておきましょう。
第3のポイント
材料費・労務費・経費について、直接費と間接費の分類、直接費と間接費の処理、製造間接費の配賦の処理、製造間接費配賦差異の処理について、「勘定連絡図」と関連させて確認しておいてください。工業簿記が苦手な方は「勘定連絡図」が頭に入っていないことが原因です。ですので、再度、確認しておいてください。
第4のポイント
製造原価報告書と損益計算書、貸借対照表との関係について再度、テキストで確認しておいてください。製品原価の計算は一枚の計算表でできます(ラーメンの原価を自分なりに計算することで考えてみてください)。しかし、その計算表では、損益計算書や貸借対照表といった財務諸表は作成できません。それは、複式簿記を使って記録していないからです。これこそが工業簿記の意味です。BOX図を書いて計算することばかり目が行きがちですが、製品原価の計算結果を簿記による仕訳を使って記録するということを忘れないようにしましょう。
第5のポイント
製造原価報告書の作成問題において、個別原価計算と関連させた問題にも注意してください。第118回試験では個別原価計算と製造原価報告書をミックスした問題が出題されています。個別原価計算表、仕掛品勘定(総勘定元帳)、製造原価報告書がどう関連するのか、テキストで一度、確認しておくとよいでしょう。
⑶ 部門別原価計算
第1のポイント
部門別計算の位置付けを勘定連絡図を使って今一度、確認しておいてください。
第2のポイント
部門別原価計算における補助部門費の配賦(直接配賦法、相互配賦法)の計算、計算表の作成、差異分析について確認しておいてください。
第3のポイント
補助部門費の配賦と製造部門費の配賦について計算だけでなく、仕訳についても確認するようしましょう。勘定記入の問題も出題されています。
第4のポイント
部門別計算を個別原価計算に適用した場合の計算についても確認しておきましょう。個別原価計算表について、製造間接費の部分が製造部門ごとに区分されますので、このタイプの個別原価計算表の作成問題(部門別個別原価計算)を一度、解いておくとよいでしょう。
第5のポイント
部門別原価計算は、総合原価計算でも適用されます。その場合は加工費の部門別計算になりますので、この点は知っておいてください。部門別計算をからめた問題が第130回に出題されています。