第70回税理士試験 理論問題でる順予想プラスワン~財務諸表論③


『会計人コース』7月臨時増刊号「第70回税理士試験 理論問題でる順予想号」において、誌面の都合上、掲載できなかったBランクの問題を掲載いたします。本誌とあわせて直前期の学習にお役立てください。

棚卸資産会計(でる順ランキング2位)

問題
 次の文章は,「棚卸資産の評価に関する会計基準」(以下「基準」という。)から抜粋したものである。以下の問に答えなさい

3.本会計基準は,すべての企業における棚卸資産の評価方法,評価基準及び開示について適用する。棚卸資産は,(ァ)商 品,製品,半製品,原材料,仕掛品等の資産であり,企業がその( ① )を達成するために所有し,かつ,売却を予定する資産のほか,売却を予定しない資産であっても,販売活動及び一般管理活動において短期間に消費される( ② )  等も含まれる。
なお,売却には,通常の販売のほか, (ィ)活発な市場が存在することを前提として,棚卸資産の保有者が単に ( ③ ) により利益を得ることを目的とする ( ④ ) を 含む
6ー 2.棚卸資産については,(ゥ)原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算して取得原価とし,(ェ)次の評価方法の中から選択した方法を適用して売上原価等の払出原価と期末棚卸資産の価額を算定するものとする。
7.(ォ)通常の販売目的(販売するための製造目的を含む。)で保有する棚卸資産は,取得原価をもって貸借対照表価額とし,期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には,当 該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする。この場合において,取得原価と当該正味売却価額との差額は当期の費用として処理する。
・・・(中略)・・・

1 空欄( ① ) から( ④ ) に適切な用語を記入しなさい。

2 「基準」では,棚卸資産の範囲として,次の4つが示されている。そのうちDに該当する項目の1つに空欄( ② ) がある。そこで,太字部分(ア)において列挙されている各項目は,下記A~Dのそれぞれどの具体例に該当するか。項目名を記入しなさい。なお,複数該当する項目がある場合には,そのすべての項目名を,また該当する項目がなければ,「該当なし」と記入すること。

A:通常の営業過程において販売するために保有する財貨又は用役
B:販売を目的として現に製造中の財貨又は用役
C:販売目的の財貨又は用役を生産するために短期間に消費されるべき財貨
D:販売活動及び一般管理活動において短期間に消費されるべき財貨

3  太字部分 (イ)に該当する棚卸資産の評価について根拠とともに説明しなさい。

4  太字部分 (ウ)において付随費用を加算する理由を説明しなさい。

5 太字部分 (エ)に関連して次の⑴および⑵に答えなさい。
⑴    「基準」に列挙されている評価方法を4つあげなさい。
⑵      後入先出法は,企業会計原則では認められた評価方法であったが,「基
 準」では廃止された。これに関連して次の問に答えなさい。
 ① 価格変動時における後入先出法の長所を説明しなさい。
 ② 価格変動時において,後入先出法と同様の長所を有する固定資産の費用化
  の方法を1つあげなさい。
 ③ 後入先出法の問題点を述べなさい。

6 太字部分 (オ)とは異なり,企業会計原則では低価法を原価法の例外と位置付けてきた。この考え方は,取得原価基準の本質をどのように理解していたか,説明しなさい。

[東京CPA B]


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